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教育理念
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日本語

問いから生まれる思考と表現を大切に

表現・認識する手段としての日本語とどのように向き合い、そこから何を見つめ、生み出していくか——。日本語科は、さまざまな作品や題材と触れる中で、そんな「一人ひとり」と「日本語」の間にあるものを探る教科です。

「自分のことばで自分を語る」という営みの中で生まれる言葉は、出来合いのものや、上から与えられるものではありません。言葉は外からやってくるものではなく、自分自身に問う中から生まれるからです。

高校1年の最初に取り組む 「ことばでスケッチする」を例に挙げてみましょう。目の前にある果物などを観察して、言葉にする授業です。文章をつくるのが苦手な人も取り組みやすく、「こう書けば正解」という絶対的な答えもありません。

生徒が書いた作品は、全部冊子にまとめてお互いに読み合います。それは「同じものや作品を見ていても、人によって見え方や表現が違う」ということを実感する機会。人数分の「私はこう感じた」に触れることは、クラスメイトの意外な一面に出会うことになったり、自分の中からは生まれなかった表現を前にして、自身の考えを新たに深める機会になったりもします。

さまざまな読み方に触れて、自分なりの読み方でいいんだという、自由に「自分のことば」と向き合う空気が教室に広がった時——。 それが、「読む・書く・聴く・話す」ことを大切にした、日本語科の授業が動き始める瞬間です。

〈ことばでスケッチする〉
「先入観や思い込みから離れて、言葉で対象をとらえ直していく」ことをテーマとした高校1年生の課題です。対象となるものをしっかりと観察して、五感でとらえながら、感じたことをできるだけ言葉にしてメモを加えていきます