ナスカの地上絵を
作ってみよう!
上の動画は自由の森学園の上空から撮ったものです。ナスカの地上絵として知られる「ハチドリ」の絵、見つかりますか?これはペルーのナスカ地方の地面に描かれた絵で、全長100メートルもある巨大なものです(GoogleMapでも見ることができます)。しかも1000年以上も前につくられたものです。
そんなに昔にこれだけ巨大な絵を一筆描きでどうやって描いたのか?これには数学が深く関わっているんです。
上の動画は自由の森学園の上空から撮ったものです。ナスカの地上絵として知られる「ハチドリ」の絵、見つかりますか?これはペルーのナスカ地方の地面に描かれた絵で、全長100メートルもある巨大なものです(GoogleMapでも見ることができます)。しかも1000年以上も前につくられたものです。
そんなに昔にこれだけ巨大な絵を一筆描きでどうやって描いたのか?これには数学が深く関わっているんです。
ナスカの地上絵が「何のため」に、そして「どのように」描かれたのかは、諸説はありますが、本当のところはわかっていません。
注目されるようになったのは、考古学者のポール・コソック博士1939年に発見して以来のこと。
あまりにも巨大な絵なので、どんな絵であるのかは空からでないと、その地上絵に何が描かれているのかもわかりません。やっぱり、「何のため」に、そして「どのように」描かれたのかを、知りたくなります。
図形の性質を知ること。なかなか苦手な人も多いようです。好きな人には1つの図からいろいろな法則が「見える」ようです。ごちゃーっとした図形からなにかの手がかりが見つかると、突然その景色が変わります。次々といろいろな性質を発見できるわけです。
教室の机で描ける大きさの絵を手がかりに、この日の巨大プロジェクト ---- ナスカの地上絵を再現する ---- に向かいます。
授業の中で見つけた性質をたくさん応用しないと、このようなプロジェクトは実現できません。またいろいろの道具も必要です。描くための図面、距離を測るための道具、何倍になっているかという考え、ポイントを示すたくさんの指標、描くための体育の授業で使うライン引きと石灰、一気に直線を引く思い切りのよさ。
チームを組んで、距離を測る人、指標を打ちに行く人、線を引く人、アイディアを出す人、いろいろの人の声が飛び交いながら、だんだんと「地上絵」がつくられていきます。
授業をつくることは、授業をするものにとって基本的には楽しいことです。ただ、子どもたちが教材にどんな反応をしてくれるのか、私たちが数学のどの世界の入り口を用意できるか。うまくいくことばかりではありませんから、わりと実は大変です。
それでも、どうやったらいい時間がつくれるか、その子たちの考える材料を与えすぎず与えなさすぎずの調合を想像するとき、ここにいるクラスの人たちのひとりひとりの顔が浮かびます。この子だったらこういうふうに考えるだろうなぁとか、ここでこういうアイディアがあの子から出そうだとか。
「数学の日」で体験していただいた授業は、私たちのひとつの表現でもあります。授業とはいったいどういう質のものなのか、だれのためのものなのか。わからないものに出会ったとき、「知りたい」という衝動を生みたいなと、いつもどこかで考えています。