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教育理念
デジタル学校案内

ふたつ目は、エネルギーに関する問題です。

深刻な原発事故の問題は単に電力会社や政府だけのものではありません。一度事故を引き起こせば、多数の住民を危険にさらし、広大な地域が居住不能となる危険のあるエネルギーに依存していた自分たちの問題を考え、それまでとは違うエネルギー消費の行動をとることが必要と考えました。

原発事故の問題だけではなく、気候変動の危機が叫ばれるなか、未来に生きる子どもたちの学ぶ場は、持続可能な社会を見すえたものでなければならないと考えます。

学園は、使用する電力を2014年から再生可能エネルギーを中心とした電力に切り替え、現在は再生可能エネルギー100%(RE100)電力を購入しております。みんな電力(株)の協力で、現在学園が消費している電力は、誰がどこでつくったエネルギーか分かるシステムになっております。並行して電力消費量の「見える化」を進めており、電力の節約についても努力しているところです。

三つ目は、被災地支援と防災を学びのテーマとすることです。

震災後には、教職員が個々に被災地に出かけ支援しただけでなく、この10年の間、高校のいくつかの選択講座で宮城県石巻市、岩手県釜石市、福島県二本松市東和地域などへのボランティア活動を軸としたスタディーツアーを行ってきました。

スタディーツアー

また、福島県の子どもたちを受け入れて高校生たちと屋外で遊ぶキッズウィークエンドという取り組みも、アースデイ東京の活動と並行して毎年行ってきました。今後も、継続的に被災地と関わり学ぶことは重要な総合学習のテーマとなるものと考え、積極的に取り組んでいくべき課題と考えます。

以上のことは2017年に加盟登録したユネスコスクールに求められる課題に合致するものでもあります。持続可能な社会を構想する学びと防災教育を総合的に構想し、学園づくりをさらに進めていきたいと考えています。

皆さまのご理解とご支援をお願いいたします。

自由の森学園理事長 鬼沢 真之

3.11をさまざまな視点から捉えた、「もりのあと9号」をバックナンバーアーカイブから紹介します。

●Vol.9 2015春号
震災から丸4年を迎えた2015年3月11日発行。メイン特集は仙台で葬祭業に従事していた6期生西村恒吉さんへのインタビュー。あまり世間で語られることのなかった、葬祭業という視点で震災と向き合った人々の、想像を絶する体験について語っていただきました。

ほか、ブックレビュー「大津波のあとの生きものたち」、復興を商工会という視点から見つめた21期生吉澤信介さんのインタビュー、当時高校3年生の助川千裕さんたちが立ち上げた「3・11の会」の話を掲載。

もりのあと9号