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Hattori Daisuke6期生エンジンのクランクシャフトなどに用いられる「すべり軸受」。「見た目には分かりにくいけど、すごく細かい技術がいろいろ詰め込まれています」と服部さん。国内ではイソダメタルだけが製造しているという、銅合金製のすべり軸受は、融点や熱伝導率が高く、大型の漁船や海上保安庁、タグボートなど、タフさが求められる船舶に使用されるという。もりのあとを歩く 「すべり軸受」って分かりますか?簡単に言うと、エンジンなどの内部に使われるもので、可動する部分を支える重要な部品です。私が社長を務めている「イソダメタル」は、そのすべり軸受を製造している会社です。今年で創業118年目になりました。中でも得意なのは船舶関係。日本ではうちでしか作れない部品もあって、国内に限らず諸外国の企業とも取引があります。 私の一族が、長らくオーナー兼経営者を務めてきた会社なのですが、実は当初、この会社を継ぐことには抵抗がありました。親戚に「将来はこの会社を継ぐんだよ」などと言われていましたが、「好きに生きていいはずの俺の人生を、勝手に決めないでほしい」と、心から思っていました。作ったり。のちにeラーニングを専門に扱う会社で、コンテンツのデザインなどにも携わっていました。お客さんが何が欲しいのか、それをどう実現するべきなのか解決していくことは楽しかった。誰もが知る大手企業との仕事も多く、仲間と会社を大きくすることにも喜びがありました。 でもふとしたとき、「この仕事は別に自分がしたいことをしている訳じゃないな」と気づいたんですよね。いつも求められるものを実現することに終始していて、自分の思いがそこに乗っているかどうかは、二の次だったんです。366「好きに生きていいはずの俺の人生を勝手に決めないでほしい」と心から思っていました世界中の船舶の安全な航行を支えるはじまりはIT業界から それゆえ、当然ストレートにこの会社に入った訳ではなく、当初はベンチャー系のIT企業に勤めていました。私が成人した平成初期は、ITベンチャーが乱立していた時代。ホームページを制作したり、携帯電話用のインターネットサービス「iモード」のコンテンツを服部 大介 さん

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