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Kurata Sachiyo18期生もりのあとを歩く 「ヒビノイロハニ」という、小さな花屋を営んでいます。 花ってなにか特別なことがある日に使われることが多いのですが、私は一輪や二輪でいいから毎日の暮らしの中に花の彩りや香りがあるのもいいな、と思っています。同じような気持ちをいだいている皆さんに季節の花を届けられれば、と始めたお店はオープンして1年が経ちました。 どうコストをかけずに店を始めるかと考えた時、「家の敷地に小屋を作っちゃえば、家賃はタダじゃないか!」とひらめいて。店舗となる小さな小屋は、夫と近所のホームセンターに通い詰めて建材を買い込み、セルフビルドで建てました。 DIY初心者の2人でしたが、調べながら柱を組み、床を作って屋根をかけて。室内には漆喰を塗りました。2か月くらいで完成したかな。プロの手がまったく入っていないハンドメイドの小屋は、いつか吹き飛んでしまわないかと心配していますが、今のところ大丈夫なようです。 実は、もともと保育士を目指していたんです。ところが保育実習で理想と現実の違いに気持ちがしぼんでしまって……。その頃、偶然出会ったのが花でした。友だちの誘いにのって、500円でできるちょっとした花のワークショップに参加したのですが、その時に「これは!」と、一気に花に心が傾いてしまいました。 生花の一番の魅力は、ひとつとして同じものがないこと。同じ品種でも育った環境や季節によって全然違いますし、1167生花は、ひとつとして同じものがないし日々表情が変わる。人間みたいです。挫折の中で花と出会う日々の暮らしに香りと彩りを倉田 幸世 さん

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