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○テーマ別分科会教科教育の周辺にあるさまざまなテーマを掘り下げる会。生徒が主催する会も多い。○教科別分科会授業現場の取り組みについて、教科別に助言者を招いて意見を交わす会。美術科の分科会より。分科会は、客観的な視点から議論を作るために必ず学外の助言者を招いて行われる。8 「授業はライブ。身体性や直接性、偶発性が絡みあってなにかが生成されていくものです。ぜひその現場に居あわせてほしい」(高校校長・菅間正道さん)。そんな想いと共に「教育の公開」を原則としている自由の森学園。毎年秋に全クラスの授業を公開し、学びを検討しあう公開教育研究会(以下・公開研)を開催しています。 参加者はさまざま。教育関係者や研究者、生徒に保護者、入学希望者、卒業生、近隣の方々など、誰もにフラットに開かれた場です。毎年、少しずつ形を変えていますが、基本的には最初に「公開授業」が行われ、授業後には教科の枠を超えて多様な課題について語りあう「テーマ別分科会」を開催。午後には、各教科の教育実践に対して意見を交わす「教科別分科会」が開かれます。 今年は、コロナ禍により中止になりましたが、ゲストスピーカーを招いての教育講演会や、生徒による全校合唱なども行われています。 「公開授業」は、いわば参加対象者を制限しない大規模な授業参観。全学年の全授業を自由に出入りして見学できるので、入学希望者の皆さんにもオススメの機会です。 そのあとに行われる「テーマ別分科会」では、教員に限らず、生徒や食堂を仕切る食生活部も分科会を立ち上げます。2022年は「本当の学びについて考えよう」「いい授業ってどんなもの?」「あなたにとってつくること食べることって?」など、21のタイトルが並びました。 中学3年生は総合学習「森の時間」の集大成として行っているテーマ別学習「戦争」「性」「社会福祉」をそれぞれ紹介。これまでの学びをふりかえり、議論を通して後期の授業をアップデートします。 過去には「自由の森もテストを実施すべきか」といったテーマも開催されたとのこと。こうした議論を、学内の教員や生徒に加えて教育関係者や保護者、卒業生らが入りまじり、対等に聴きあい、語りあい、考えあいが始まります。 世代や立場を超えた意見が交わされる中で、生徒のちょっとした一言が場のムードを大きく変えることも。生徒が「私はこう思う」ということを、大人や教育研究者に対しても主体的に語る姿は、たとえ、結果として間違いである漠然とした考えを場に提示しても攻撃されることのない、優しい対話の土壌がある自由の森の学びが表出した姿と言えるのではないでしょうか。 「教科別分科会」は、教員の実践報告の場。教科の教員の他に、学外の「助言者」も招き、参加者と共に各教科への疑問や意見を率直に語りあう場です。 たとえば今年の体育科では「なぜ自由の森では和太鼓を音楽でなく体育で扱うのか?」という疑問に対し、身体や心の解放、理にかなった動きの探究について太鼓を用いたプレゼンテーションがありました。身体表現を通して、自分の身体と対話する自由の森の体育を、具体的な実践から理解する時間となりました。 教科別分科会には、生徒たちも大人と肩を並べて参加します。学外の参加者から客観的な好評価があると、授業に対してどこか関心が低かった生徒が、新たな今年度の公開教育研究会のあらまし○公開授業全学年、全授業を一斉に公開。現場の取り組みを改めて問い直す公開の場生徒主催で学びを検討授業をアップデート教材論や授業のねらいを参加者と掘り起こしていく

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