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3飯島央生 さん64もりのあとを歩くIijima Hiroki29期生飯島 央生さん〈29期生〉1997年千葉県生まれ。自由の森学園高等学校卒業後、和光大学現代人間学部現代社会学科に入学。卒業後に東京シューレ葛飾中学校に社会科教員(スタッフ)として入職。現在3年目。一人ひとりの穏やかな「今」を大切に、生徒と関わり合う日々を送っている。 大学1年の時、ツアーガイドのアルバイトで西表島に行ったんです。港で、米軍か自衛隊のものかと思うのですが、艦艇が寄港しているのを見かけました。観光で島に訪れていた人たちは、見慣れない勇ましい船に「わぁ!」と歓迎ムードだったのですが、ふと振り向くといぶかしげな表情でうつむいている、島民の方が。 直接話した訳ではないので、推測することしかできなかったのですが、そのコントラストに強烈な違和感を覚えました。 「彼らがどういう出来事に遭遇したのか、どんな歴史があるのか」、人が抱えているものに目を向けようとするとき、私は、それを知ろうとしないことには、何も始まらないと感じたのです。この経験は、私を社会学に向かわせ、現在の社会科教員へ続く道への入り口となりました。経験している子どもたちを対象とした学校です。 ここでの教員の呼び方は、「スタッフ」。「先生と生徒」というタテの関係ではなく、ひとりの人間として子どもと接します。また「教員」、「先生」という呼び方に深いトラウマをもった子がいることもひとつの理由。人と人との関係づくりをとても大事にしています。 一般的な学校とは異なり、一人ひとりが、安心して家や学校で過ごしてくれればいい。「無理して来なくていいんだよ」も、ここでは支援なんです。 在宅の子か、学校に来る子かを問わず、子どもたちが何かに興味を持った彼らが感じていたこと誰かの視点に立つことは少しずつ優しくなることにつながっている無理をせず急がずゆっくりと 現在、「東京シューレ葛飾中学校」という学校に所属しています。フリースクールから出発した中学で、不登校を

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