morinoat_39
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 そんな現実を知ったのが、脚本の勉強を始めたキッカケです。自分が書く側に回ることで、今の映画界が抱えているそんな状況を変えていきたいと思ったんです。 映画界は、長いこと男性主体で続いてきた業界です。現在、女性の脚本家は全体の2割、監督に至っては1割以下。私が脚本家に転身するとき、「どん12な手を使ったんだよ」みたいな、心ない言葉を浴びせられたことは1度や2度ではありませんでした。だから、脚本家として身を立てようとしたときに、自分の活動していたジャンルの外で認められれば、そんな人たちも黙らせることができるだろうと、最初はアニメに挑戦したんです。人気アニメの『名探偵コナン』で、私の脚本が採用された時は嬉しかったですね。往年の名作『ゴルゴ13』でも、脚本を採用していただきました。 余談ですが、『ゴルゴ13』の私の作品に出てくる悪党たちには、その頃私をいびっていた人たちの名前を付けさせていただきました。もちろん、デューク東郷のターゲットになっていただくためです。スッキリしました。 とはいえ、業界も変わり始めていて、現在所属している日本シナリオ作家協会では、ハラスメント対策委員をやらせてもらっています。 いいお芝居ができて、いい脚本が書ければそれでいいはずなのに、それスタートは畑違いのジャンルから「勝ち残る人が偉い」ではない

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