morinoat_38
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は、ひとこと話す度に上司に怒られていました。周囲の人が当たり前に持っていた「社会人としての常識」みたいなものも、ここでようやく学んだ様な気がします。 その後、今の会社に転職したのが、2020年の東京五輪を目前に控えた頃。「さあ、忙しくなるぞ〜」と思っていた矢先、コロナ騒ぎです。五輪延期の影響に限らず、それまで年間3000万人いた訪日外国人が、コロナの一件で来なくなったわけで、ホテル業界は大ダメージでした。 でも、ホテル業界ってなにかと影響を受けやすい業種なので、アクシデントに耐性があるんですよ。「じゃあどうしようか」と、すぐに動ける。9.11やリーマンショック、東日本大震災と、最近でもいろいろ乗り越えてきています。 今回、私の会社でもワーケーションやリモートワークへの対応、テイクアウトや通信販売の拡大など、新たな取り組みが次々進んでいきました。 最近は本部勤務になり、お客さんの顔を直接見ることはほとんどありません。でも、自分の中ではあまり変わったという意識はなくて、「お客さんに喜んでもらうのが仕事」という感覚があります。 17歳の時、目に触れるものがなにもかも新しかった、ひとりで巡ったオーストラリア。あの経験は、今の仕事の原点になっていますね。同じ様な貴重な時間を、さまざまなカタチでお客さんに提供していきたいと思っています。 でも、私の娘が17歳になった時に、もし「ひとりでオーストラリアに行きたい」と言い出したら、果たして私は「行っておいで」と言ってあげられるのかどうか……。 悩ましいところです。55

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