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森 優紀 さんMori Yuki15期生63もりのあとを歩く森 優紀さん〈15期生〉1983年東京都生まれ。自由の森学園高等学校卒業後、明海大学歯学部歯学科に進学。同大学口腔診断科での臨床研修を経て、口腔外科に入局。その後、埼玉県内の歯科医院に勤務したのち子育てに専念する数年を経て、東京医科歯科大学でインプラント外来研修を受ける。2022年3月、パートナーの康太郎さんとともに「森のくま歯科」を開業した。旧姓は篠原。 最近、夫と一緒に埼玉県の坂戸市で歯科医院を開業しました。名前は「森のくま歯科」。私たちの苗字が「森」であることと、地域の子どもたちに親しんでもらえればという思いで、童謡の「森のくまさん」から名前をいただきました。 自由の森学園に在学していた頃の話を少ししますね。私は高校から入学したのですが、正直なかなか戸惑いましたよ。中学まで、授業中は座って、手を挙げて、テストでいい点数をとっていればいいと思っていたのに、180度環境が変わっちゃったわけですから。自分の考えを伝えて、人の意見を聞いて、話し合って。そんなことが、生活や学びの軸になっていた3年間は、それまでと大きく違う時間でした。 でもその後、大学の歯学部に入学したらまたもや環境の価値観が逆転してしまって。クラスメイトはライバル、成績順に教室の座席が決まるような環境でした。 ですが、そうやって何度も価値観がひっくり返る経験をしていると、気づくんですよ。その度に周りに合わせようとすると疲れるし、自分が何をしたかったのか分からなくなってくる。結果として何もいいことがないんです。 だから周りを尊重しすぎず、やりたいことをやっていこうと決めました。「自分はどうしたいのか」って問いかけがいつも自分の中にあれば、どこにいてもそんなに戸惑うことはないということが分かった。今、一人ひとりの患者さんとじっくり話しながら治療することを大事にしようとしているのも、単純にそれは「自分にとって大切なこと」だからなんです。11坂戸の「森のくまさん」価値観が行ったり来たり一人ひとりとじっくり向き合えるクリニックを

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