morinoat_37
3/16

3 さん新井智恵6124期生もりのあとを歩くArai Chieお母さんの休憩時に、赤ちゃんを預かり中。宮城県塩竈市の「坂総合病院」に勤務していた頃の1枚。 「助産師はどう? お母さんと生まれてくる子どもの手をつなぐ仕事よ」 修学旅行の時、温泉で偶然一緒になった人にかけられた言葉が、こんなに自分の生き方を決めることになるとは思いませんでした。 お風呂で「あなたたちは修学旅行?」と話しかけてきてくれて、進路の話になったんです。私が「産婦人科医を考えています」と答えた時に返してくれたのが、この一言。実はご本人が助産師だったのですが、私はこの言葉が頭に残って、その日はなかなか寝付けなかったのを覚えています。 その後、私は助産師の資格が取れる大学に進学しました。 進学したのは、山梨大学の医学部看護学科。本来、看護師資格を取得してからでなければ、助産師の資格が取れないケースが多いのですが、山梨大学は4年でまとめて取れるというのが決め手でした。 人体の構造を学ぶのは楽しかったですよ。そもそも自分の体の仕組みですし、高校時代に民族舞踊に興じていたことも関係しているかもしれません。とことん踊り込んでいくというのは、身体がどのように動くのかを突き詰めていくこと。自分が体で学んできたことをイメージして医学を理解するのは、とても自然だったように思います。 大学卒業までにたくさんのお産の実習を重ねましたが、私が初めて見たお産は、姉の出産でした。「妹が助産師の人生の分岐点は温泉の中にお産は正解のない命の現場です生命誕生の瞬間は大変

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る