morinoat_34
11/16

さん石垣純子562期生もりのあとを歩くIshigaki Junko石垣純子さん〈2期生〉1970 年長野県生まれ。自由の森学園 高等学校卒業後、広告代理店やアパレルショップなどでの仕事 を経てスペインへ。帰国後、リゾートホテル「リゾナーレ八ヶ 岳」の営業企画に勤務。ワーキングホリデーで1年間ドイツで学んだのち、同ホテルに復帰後、ブックカフェの立ち上げを担当した。2013年に自身の書店「mountain bookcase」を開業。原則土・日・月営業。それ以外の日は、 近所の新刊書店に勤めている。 長野県諏訪郡の富士見駅近くで、 「mountain bookcase」という書店を営んでいます。新刊も古本も扱う、週3日だけオープンする小さなお店です。 もともとは、移動書店としてスタートしたのですが、その後山梨県韮崎市で2年店舗を構えたのち、昨年秋に現在の場所に移転しました。 そして富士見町は、私が中学卒業まで生まれ育った町でもあります。 ここでは何もできない 中学生の頃は、あまり好きな町ではなかったんです。なんともいえない閉塞感のある田舎から抜け出したかった。漠然と「ここでは何もできない」とい う思いがあったように思います。そんなうっぷんを溜めていた中3の秋に自由の森学園の存在を知り、ここだ! と思った。そして「受験をきっかけに家を出よう」と、企んだのです。 親には地元の高校を勧められていたのですが、その頃は家を出ることしか考えられなかった。そこで地元の公立高校も受験しつつ、試験で白紙の解答用紙を出すという暴挙に出ました。そして「落ちちゃったからしょうがないよ」って。計画通り、自由の森に行けることになりました。 今だから言えることです。 「さまざまな文化を知り、そこに生きる人々に出会いたい。」そんな生き方をスタートさせたのは、この時だったと思っています。11町の人々が集う書店いかりを降ろした途端、いろいろなものが見えてきた私ができることしたいこと 高校では、全国から集まった同級生たちと出会い、たくさんの考え方に触れました。それで拍車がかかり、卒業後も国内外の各地に足を運んだり、 暮らしてみたりする時間を過ごすことに。 その場所その場所に、息づく文化があり人がいる——。 各地でその「場」 が持つものを見つめる時間を楽しんでいたように思います。とくに、スペインで暮らしている時に出会った、さまざまな国の人々は、みんな面白くて視野の広い人がたくさんいました。 スイス人とブラジル人のルームメイトから聞いた、水洗トイレのタンクにぶら下がっているチェーンでアクセサリーを作って路上で売って、食事と

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る