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「熱」という形で自然からエネルギーをいただき、暮らしを営むということ8自分たちが使うエネルギーを自分たちの手で 2009年から体育館に木質ペレットのボイラーを導入。2016年には電力自由化を機に、学園全体の電気を担う電力会社を再生可能エネルギーを中心とする「みんな電力」に切り替えるなど、自由の森学園では、自分たちが使うエネルギーに意識を向ける取り組みを進めてきました。 「今回の薪ボイラー導入には3つの狙いがあります」と話すのは鬼沢真之理事長。「1つ目はCO₂や化石燃料使用の削減という地球環境への配慮。2つ目はエネルギーを通した地域社会とのつながり。そして3つ目は、生徒たちの学びとしてのエネルギー。暮らしの中で、自分たちの手で薪をくべてエネルギーを運用することが、新たな学びの切り口になるのではと考えたのです」。 林業をテーマにした選択講座を長年担当している鬼沢理事長は、授業の中でも自然環境や森林活用について積極的に取り上げていて、以前から「学園で使うエネルギーをバイオマスエネルギー(※1)でまかなうことはできないか」と考えていたといいます。学園のある飯能市は、古くから“西川材”と呼ばれる木材を江戸に供給する拠点となってきた林業の町。エネルギーの地産地消という観点からも、地元の木材を使ったエネルギーの活用は大きな意義を持ちます。 「地域のエネルギー自給を考える『まちエネ大学』という取り組みがあります。まちエネ大学は、飯能でも展開されていて、そこに参加させてもらっていました。そのメンバーで2018年に発足したのが、『飯能木質バイオマスエネルギー協議会』。今回のボイラー導入は、今日お話しいただく2人をはじめとした協議会の方々の協力によって、実現した取り組みです」。「地域の専門家」「再生可能エネルギーの専門家」と共に 導入を支えた「飯能木質バイオマスエネルギー協議会」は、森林の専門家だけではなく、木質燃料やボイラーなどのプラントを事業で手掛けているメンバーが揃ったプロ集団です。現在、会長を務める鴇田節男さんは、飯能で長年住宅設備の施工を生業としてきた方。早くから地域と暮らしの結びつきのあり方について考え、飯能の木材や間伐材の活用法について探究してきたそうです。 「飯能の森林では良質な木材を作るために間伐を行いますが、間伐された木は利用されずに山に放置されています。これを活用するために、はじめはバイオマス発電を考えました。しかし、バイオマス発電はコストもかかりますし、実用化するにはある程度大きな規模にする必要があり、現実には厳しい面もあります。そこで方針を変えて給湯などの熱エネルギーに活用することを考えているときに鬼沢さんと出会いました」(鴇田さん)。 そうして動き出した、飯能の木を活用した薪ボイラー導入プロジェクト第1号。どんなボイラーを導入し、およそ160人が生活する寮の給湯や暖房をどのように賄うのか? システムの運用方法を検討してくれたのは、同協議会の菅野明芳さんです。「森のエネルギー研究所」という会社で、温泉やホテルなどの事業※1 バイオマスエネルギー/化石燃料以外の動植物などから作り出されるエネルギー資源のこと。再生可能エネルギーを推進していくことが求められる時代において、注目を集めているエネルギーのひとつ。バイオマスの種類としては一般的に、間伐材、木くず、生ゴミ、可燃ゴミ、糞尿、プランクトンなどがある。飯能木質バイオマスエネルギー協議会会長。給排水設備を中心に、建物の環境整備を行う「ときたサービス有限会社」前代表。東日本大震災以降着目していたバイオマスエネルギーに飯能を活性化させる鍵があると着目し、精力的に活動している。駿河台大学客員教授やNPO名栗カヌー工房理事も務める。鴇とき田た 節せつ男お さん鴇とき田た 節せつ男お さん飯能木質バイオマスエネルギー協議会会長鬼澤 真之 自由の森学園 理事長飯能木質バイオマスエネルギー協議会 会員菅かん野の 明あき芳よし さん飯能木質バイオマスエネルギー協議会会員

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