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3 Rio football clubという、子どもたちを対象にしたサッカーチームを運営しています。私自身、小学生の頃からサッカーを始めて、自由の森学園で過ごした中高時代もずっとサッカー部でした。卒業後、当時発足したばかりだったJリーグに挑戦しようと思いましたが、どうにかとってもらえた下部リーグのチームでさえ、周囲のレベルにまったくついていけず、早々にギブアップしました。「昭和の原っぱ」をつくる ということで、19歳にして方向転換。指導者を目指してコーチの資格を取り、Rio football clubを設立しました。目指したのは昭和の原っぱです。「やりたいようにボールを蹴って、言い合いもしながら仲間になって、試合をしてみたら勝ちたくなって、自分たちなりに考える。そうやってチームとしても個人としても成長していく」。そんなクラブをつくります! と書いたビラを手当たり次第に配りました。今考えるとどう見ても怪しいですよね。それでも体験練習会に大勢集まってくれたんです。スタートから、順調すぎるくらい順調な滑り出しでした。多数決では決めない 「やりたいようにやる」といっても、好き勝手に走り回るわけじゃありません。むしろ子どもたちに言わせれば、僕の指導は厳しすぎるというかもしれません。 実際、練習の間、頭はずっとフル回転しているはずです。この日はパスの出し方を徹底しようとテーマを決めると、まずはパスを回してみよう、次はボールを受けたら体の前に置いて前を見よう、次は蹴る前に相手を探しておこうと、ちょっとずつハードルを上げていく。でも、できなかったからといって叱ることはありません。「もっとこうすればいい」と指導することもできるでしょうが、それもなし。あくまで自分で考えて、自分のやれる形で、やりたいように、です。それで上手くできれば具体的に「ここが良かったよ!」と褒めてあげる。言葉にするのは大事ですね。 「自分で考える」という方針は、チーOmatsu Gouチームには、たまにしか使わない色も大事なんですもりのあとを歩く6期生尾松 剛 さん51尾松 剛さん〈6期生〉1975年東京生まれ。自由の森学園高等学校卒業後、「Rio football club」を立ち上げ代表を務める。一時は所属1000人を超えるまでに成長させたことも。現在、幸福の国と呼ばれるブータンでサッカー指導者となることを目指して準備を進めている。JFA公認B級コーチ、スポーツマネージャーgrade2、ブラジルプロクラブ・クルゼイロECコーチングコースディプロマなど多数の指導資格を所持。

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