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 食堂で提供しているごはんは、毎日イチから作る手作りのごはんです。 出汁をとる事、お米を研ぐ事、お肉や野菜を切る事、衣をつける事、パンを捏ねる事。毎日たくさんの人の手しごとにより成り立っている食堂ですが、何故「そこ」を大切にしているのでしょうか。 それはただ、「子どもたちに食べてもらいたいものを自分たちで作る」という事でした。 1950年代~1970年代初頭は日本経済が急激に変化していきました。学園創立時である1980年代もまた、日本の社会は大きな変革のうねりの中にあったそうです。今と違って有機の食材も手に入りにくい時代。生活の中に浸透していく加工品には、良し悪しにかかわらず食品添加物や化学調味料が使用されていました。「今、子どもたちに食べさせたいごはんって何だろう?」 当時、食生活部の発足に関わった人たちは、どうにか「ちゃんとした食材・ものが欲しい」と必死に考え「誰が・どのように・どんな想いで作ったものかがわかる食材」を求めて、各地を探したと聞いています。 すべての希望を叶えることはできないけれど、食堂のごはんはどれもこれも毎日手作りされている、温かな気持ちが込められたごはんです。 36年間、「子どもたちに食べてもらいたいごはんを作り続けている」ただそれだけ。 その理由が、いつか一人ひとりの中にストンっと落ちる時がきたら嬉しいです。渡邉さやか (自由の森学園 食生活部)明日も続く、ごはん作り14

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