morinoat_29
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4 たとえば、授業に集中できない子に、授業内容をクイズ形式にして問いかけてみると、教師の話を聞くのが難しかった彼も、とたんに夢中になって解いてくれることがありました。 単純に教師との相性や、教科の得意不得意というのもありますね。他のどの授業でも集中できないのに、ある教師の授業だけ集中することができる、ということも。でも、それは必ずしも「困っている原因がなくなったから」ではない場合もあるんです。 たとえば世にいう「怖い先生」。怖いても反発が大きかったので、「何か困ってる?」と違う声のかけ方をすると、「うん。困ってるよ」と応えてくれたんです。でも、何に困っているか自分でも分からない様子。そんな本人も理由が分からないことでも、じっくり向き合うことが大切だと思っています。朝も夕方もドタバタ 実は、勤務地から離れた場所に引っ越してしまい、通勤がちょっと大変なのです。先生の授業って、ふだん騒がしくしちゃう他の子ども達も静かになるじゃないですか。そうすると余計な物音や動きに気が散らなくなるから、結果として支援対象となっている子も、授業に集中できる、というケースがあります。 もちろん、むやみに叱ることもよくありません。一時的に座れるかもしれないけど、抑えつけられているだけで、実は困りごとは何も解決していません。 他にもある時、授業中に椅子をガタガタ揺すってしまう児童がいました。「もう少し静かにしようか」と声をかけ我慢は解決ではありません。抑えつけられているだけで、実は困り   

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