morinoat_28
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3北海道に帰るある理由 「自分の家を建ててみたい」と思ったんです。 「自分の家を自分で建てないのは、先進国の人だけ」という話をどこかで聞いて、頭に残っていたのがそのきっかけ。当時、東京の吉祥寺にあるカフェで働いていたのですが、ふとそう考えて北海道の実家に帰りました。 父がなんでも作ってしまう人で、家も自分で建てちゃう人だったんです。建築家でもなんでもありませんよ。近所では変わり者だと思われていたんじゃないでしょうか。実は、そんな父と真正面から向き合うことが、ほとんどなくて。だから「家を一緒に作ってみたい」と思ったのです。とはいえ始めてみれば、年中揉めていたのですけれどね。ケンカしながら、父のアドバイスを受けたり、はねのけたりしながら基礎を作って、柱を建てて。たくさん友達も手伝ってくれたから、「みんなで作った家」という思いです。 家を作っている間に、高校時代からの友人だった拓也と結婚もしました。木工職人の彼が「前島商店」として独立したのを機に、作った家に一緒に住みはじめました。 前島 野原 さんMaejima Nohara「アンティークとなるものの始まりを作っているんだ」ともりのあとを歩く4516期生「家を建ててみたい」。その思いを形にした家にて。

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