13決められたことを確実にこなす「職人」 照明を学ぶ専門学校を経て、今の会社に入り12年目になりました。舞台に関わる仕事なのでアーティスティックな仕事だと思うかもしれませんが、照明はどちらかというと「職人」です。決められたことを確実にやる、というか、会場や機材が変わっても同じ演目であれば同じ照明効果を再現しないといけない。観客席から同じように見えるためには、会場や機材に合わせて違うアプローチをしなければならない場合もあります。そういう引き出しをどれだけ持っているかで経験が問われるというか、面白い部分でもありますね。使命感ではない衝動 中学からずっと照明の道を進んでいるというと、大きな志があるようですが、私の場合はそういうわけでもありません。「照明なら食べていけるかな」と漠然と思って照明の専門学校に進んだ、というのが本当のところ。これといった使命感をもってやっているわけでもなく、ふと「どうして照明を続けてるんだろう?」と思うこともあります。そんな思いは在学中からありました。 それを解き明かすヒントになったのが、在校時、学校の古くなった設備を直す選択講座の中で、ある教員が作業しながら言った一言でした。「労働っていうのは楽しいんだよ」。 その言葉が、スッと自分の中に入ってきたのを覚えています。そう、労働って楽しいんですよね。撮影協力:新国立劇場
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