morinoat_28
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11んが、皆さんが舞台に満足してくれたということは、舞台の1ピースとして照明が役割をまっとうできたということなのだと思っています。この舞台を照らす人たちがいる! 舞台を照らす照明係という存在に気づいたのは、自由の森学園にいた中1の頃。12月にある音楽祭の最後に、裏方のスタッフ紹介があったのですが、その時、人知れず会場の一番後ろにいる光を届ける仕事 舞台照明の会社で照明の仕事をしています。主な仕事場は東京の初台にある新国立劇場で、オペラやバレエ、演劇などを担当することが多いですね。自分で照明を当てることもあれば、調光室で全体のオペレーションなどを担当することもあります。 公演によって様々ですが、劇場の職員の方と私のような外部スタッフ、それにフリーランスの人も交えてチームを組むことが多いです。演目にもよりますが、演劇の場合ですと劇団側の演出の人と、私の会社の照明の計画を立てる「デザイナー」と呼ばれる人で、どんな照明にするのか組み立てを決めて、それに沿ってオペレーションをしていくのが私の仕事です。 ひとつの公演が始まると、しばらくは劇場に1日中張り付いているような毎日を送ることになります。張り詰めた日々を過ごすことになるので体力的にも精神的にもこたえますが、公演が終わるたびに、カーテンコールで大きな拍手が聞こえてくるとホッとします。 「照明が良かった!」などと面と向かって直接称賛されるようなことはありませ麻生 輝樹 さんAso Teruki「労働って楽しい」。そう、楽しいんですよもりのあとを歩く4617 期生麻生 輝樹さん〈17期生〉1985年埼玉県生まれ。自由の森学園高等学校を卒業後、日本工学院専門学校に進学。在学中から関わっていた舞台照明について学び、卒業後は株式会社アート・ステージライティング・グループに所属。現在、新国立劇場を中心に演劇やオペラ、バレエなどの照明・オペレーターを務める。撮影協力:新国立劇場

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