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444は他の土地にはない大きな魅力であると同時に、景気によって大きく左右させられてきた曲者でもある。おかげで軽井沢は今、骨抜きになりつつあります。なので、私たちはそこに不変の軽井沢の価値を見出し、豊かな軽井沢の魅力を守りたいと思っています。いきなりの公演企画 今、「地唄舞(ぢうたまい)」という抑えた動きの中で様々な感情を表現する古典芸能に関心を持っています。数年前に3つの頃からその世界で生きてきた舞手の方とご縁ができてたくさんお話を聞き、鑑賞してからというものの、その日本人が元来持っている高い感性に魅了されてしまったのです。「軽井沢」は思うより安直ではない 軽井沢で生まれ育ち、離れていた時間を経て戻ってきた今、肌で感じているのは、この街が抱える難しさです。 軽井沢は「豊かなリゾート地」という印象があるかもしれませんが、実情はそう単純ではありません。宣教師や文化人によって開かれてきた土地ならではの独特の洗練された雰囲気は、魅力であり宝ですが、それは外から植えつけられたもので、内情としては日本の地方の多くにみられる「田舎町」と変わりないと感じます。 これは単純に善し悪しの問題ではないとは思っています。軽井沢の来訪者数は夏と冬とで極端に差が激しく、想像以上に商売をするのには難しい土地です。軽井沢で一儲けをしようとして、町外から参入を試みる企業は多いですが、安直に儲けられる土地ではありません。この性質の為、軽井沢は季節によって仕事を変える人が多いです。私も冬場はギャラリーを閉じ、スキー場でインストラクターをします。 つい最近、近しい女性経営者達で軽井沢の価値を考え直す勉強会を始めました。長野県の小布施などでは皆で「地域の価値を育てていこう」との取り組みが良い方向に進んでいますが、軽井沢は、それぞれがそれぞれに頑張っています。それはその見出す価値が異なるからです。多くの企業に魅力を感じさせる「それぞれが見出した軽井沢の価値」、これ

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