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青沼愛さん〈5期生〉1973年長野県生まれ。1992年自由の森学園高等学校卒業後、東洋美術学校で建築を学ぶ。その後、吉村順三設計事務所、一粒社ヴォーリズ建築事務所、黒岩哲彦都市建築設計室に勤務後、ギャラリー「ラ・ボロンテ」での手伝いを経て、経営を引き継ぐ。冬はスキーのインストラクターとして勤めている。3ようにしていますが、他のお店と品揃えがかぶらないように、他県の作家さんの作品も置かせていただいています。今では、自由の森学園の卒業生の作品も置いています。これには一人密かに感慨深いものを感じています。 最近、文化学院の創立者である西村伊作さんの本を読んだのですが、その一節に「暮らしに美を取り入れて生活を豊かにする」というようなくだりがあり、それを読んで、いたく共鳴しました。このお店も毎日に取り入れることができる、日常を豊かにするものを見つけて、お客様に提案する場になれればと思っています。建築の仕事からギャラリー経営へ 生まれ育った軽井沢で、「ラ・ボロンテ」という、クラフト作品や雑貨を販売するギャラリー&カフェを営んでいます。もともと母が経営していたギャラリーでしたが、18 年前、人生にふと立ち止まった時、このお店を頼りに東京を引き払いました。今は母が譲ってくれて一人でやっています。 自由の森学園を卒業後は、東京で小さい頃から好きだった建築を学びました。図面を引いて、パースを描いて、模型を作って、終わったら次の課題……。 膨大な課題の繰り返しの毎日は、大変でしたが楽しい日々でした。初めての就職は、軽井沢に縁が深かった建築家の吉村順三先生の設計事務所でした。 その後、ヴォーリズの建築事務所、黒岩哲彦都市建築設計室と事務所を移りましたが、業務の責任の重さ、将来の見通しの不安などを感じ、一旦、離れたところから建築を見つめてみようと考え、2000 年に軽井沢に戻ってきて、 18 年が経ちました。自分の目で暮らしを豊かにする一品を 現在店内に並んでいるものは、ほとんど私が集めてきたものです。自分の目で見て気に入ったものだけを置くようにしています。県内の作家さんのものを扱う毎日に取り入れることができる「日常を豊かにするもの」を見つけていく青沼 愛 さんAonuma Ai 5生期もりのあとを歩く>36吉村順三設計事務所在籍時代の一枚。アトリエにある図面一つひとつを眺めるだけで、どんな教科書よりも勉強になった貴重な時間だったとか。ギャラリーに並ぶアイテムは、「自分の目で見て決める」がモットー。

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