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 今回、保育園での公演を見学して印象に残ったのは、子どもたちが人形劇の世界に引き込まれながら、声を挙げてその世界を楽しんでいる姿でした。 「人形には、人の心を惹きつける他に変えられない魅力があるんです。『パペットセラピー』というケアの手法があるくらいですから」と話す麻美夏さんは、少しだけ厳しい表情になって言葉を続けました。「逆に、戦争翼賛のプロパガンダなどに使われれば、大きな効果を発揮してしまうということです。戦時中にプークのメンバーは人形を使ってときの政府を批判し、治安維持法にふれて摘発されたりもしました。そういう気概は、私たちも受け継いでいかなければと思っています」ユニークなので、興味を持っている人もいるはずなので、それはもったいない。平日も営業して、この街で働いている人たちと劇場をつなぐきっかけになれたら面白いなと思ったのも、ここで店をやっている理由です」 実際、コーヒーの味に惹かれて訪れるお客さんの中には、そこが人形劇の劇場であることを知らなかった人も少なくないとのこと。プークのことを知ると「ここで人形も作っているの?」と聞かれたり「人形劇の人たちは普段何をしているの?」と不思議そうに尋ねてきたり。人形劇と街をつなぐ存在としても麦さんのカフェは機能しているようです。チャレンジしていくこと受け継いでいくもの 映画や観劇も好きだったという麦さんですが、「でも、実は作品そのものよりも観終わった後にカフェで過ごしている時間の方が好きだった」と気づき、バリスタへの道に進んだといいます。高校を卒業してからは違う場で生活していた2人が、時を経て同じ劇場を起点に仕事をしているのですから、不思議なものです。 今後、やっていきたいことを問われると、麻美夏さんは「自分のスキルを上げることはもちろんですが、大人向けの人形劇をもっとメジャーにしたいですね。生や死の表現は人形劇の得意ジャンルですし、もともとプークは大人向け人形劇から出発した劇団ですしね。そのためには、ほかのジャンルと一緒にやってみるのも面白いかなと考えています。最近流行りの“2.5次元”とか、人形劇との相性はいいはずだと思うので。一方で、子ども向けのものも、子どもたちのエネルギーを直に浴びられる贅沢な時間なので続けていきたい」と話してくれました。 一方で麦さんは「このカフェが軌道に乗ったら、2号店を出したい」とのこと。2人の進む道は、人形劇の結んだ縁で今は交わっていますが、またそれぞれ異なる方向に続いていくのかもしれません。2019お正月公演公演日程お問い合わせ・お申込みは03-3370-3371までもりのへなそうる/ふしぎな箱3歳以上均一料金(団体割引・65歳以上割引あり)・全自由席1/2(水)14:001/3(木)10:301/4(金)10:30 14:001/5(土)10:30 14:001/6(日)10:30料金/3,130円(税込)会場/新宿南口プーク人形劇場人形には、人の心を惹きつける他に変えられない魅力がある人形劇団プーク東京都渋谷区代々木2-12-3新宿駅南口徒歩7分都営新宿線6番徒歩1分大江戸線A-1徒歩1分URL:http://puk.jp TEL:03-3370-5128(代表)1015ページでご案内している12月5日〜9日開催「jiyucolor展」の会場、全労済ホール/スペース・ゼロの2件お隣にあります。コーヒープンクト kafopunkto人形劇団プーク入口にて営業営業時間:8:00~17:00定休日:不定休(プーク公演日は基本的にOPEN)Facebook:https://www.facebook.com/kafopunkto

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