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3ます。 伐採の仕事は秋冬シーズンが繁忙期なので、独立した今年の春と夏はあまり仕事をしていません。「働き方って別に週5日や6日働くばかりじゃないんだな」って、私もびっくりしています。 では、仕事をせずに何をしているのかというと、木を伐採する競技に取り組んでいます。今年は、「日本伐木チャンピオンシップ(JLC)」という林業の伐木技術を競う大会が5月にあって、そこで優秀な成績を残すと、8月にノルウェーで開催される世界大会に日本代表として参加できます。 じつは私も、2014年のJLC第1回大会では2位になって、日本代表として世界大会に参加したことがあるのですが、今回は4位で落選。今落ち込んでいるところなんです。しかも9月の世界大会にカナダの自然に心打たれて 林業を生業にして9年目になります。当初は地域の森林組合に所属していましたが、今年独立しました。仕事は木を植えるところから、間伐や枝打ち、下草刈りなど森林に関わることは全てやっています。伐り出した木を木材として利用しますが、どちらかというと森林保全の業務が多いですね。鉄道会社の依頼で、線路にかかりそうな木の枝を予防的に伐採するような仕事もあります。 自由の森学園にも「林業講座」という授業がありますよね。でも僕が林業を志したのは卒業後にワーキングホリデーで滞在したカナダでした。「本場でスノーボードをやりたい」というのがもともとの目的でしたが、ある日1人で山に登った時に、その頂上から見た景色がすごくキレイで、心を打たれてしまったんです。そこから「自然を守り、次の世代に残していくような仕事がしたい」という思いが募り、林業に就くことを決めました。林業、そして伐木競技の世界へ 帰国後、すぐに群馬県の森林組合に就職しました。とはいえ、いわゆる「3K」の仕事なので、当時の彼女に打ち明けたら「何言ってんの!?」と大反対。でも「収入に関係なく自分が本当に『やりたい』と思った仕事なんだ」と、めげずに説得を続けた結果お許しが。現在彼女は、ありがたいことに私の妻になってくれてい木の向こうには必ず人がいる。人が見えない仕事はただの業務です今井陽樹さん〈17期生〉1985年愛知県生まれ。2004年、自由の森学園高等学校卒業後、3年間滞在したカナダでの経験がきっかけで林業の道へ。伐木競技にもエントリーを重ね、2014年には日本代表として世界伐木チャンピオンシップに出場。2018年に独立。「ひのきや」を立ち上げる。最近では、拠点としている群馬県藤岡市の鬼石町で、「鬼石伐木チャンピオンシップ」を立ち上げるなど、イベントプロデュースにも力を入れている。今井 陽樹 さんImai Hinoki17生期もりのあとを歩く>34

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