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が、学校でははじめてですね。教室は生徒の皆さんのものですから、皆さんと話をすることができて良かったと思います。岩田:日高さんは日頃、施主の家族による土壁塗りなどのワークショップを行って、家づくりの過程に施主が参加する取り組みを進めているとのこと。今回も生徒たちの手で、蜜ろうによるワックスがけを行いました。のちに、保護者の皆さんが結成してくださった学校のサポーターズクラブの方々にも関わっていただいています。「過程を楽しむ」ということで、場が自分たちのものになっていく。こういう取り組みが、新しい教室を大切に使っていく第一歩になるだろうと期待しています。生徒と考えた「教室づくり」岩田:施工前、有志の生徒に集まってもらって意見を募りました。「ああしたい」「こうしたい」と注文がたくさん出るのかと思いきや、最初に出たのは「たくさんお金かかるんでしょ? 大丈夫なの?」という学校の経営を心配するコメント。優しい生徒たちです。日高:生徒さんの話を聞いていくと、カバンやノートが入るロッカーがほしいという意見がありました。はじめは脱いだ上着をかけられるよう細長い形を候補にしていましたがプランを修正しました。普段やっている住宅の設計では、施主さんの細かな要望を形にしますので、じっくりヒアリングするのは当然のことです日比:施工には卒業生の仲間にも協力してもらっています。1教室につき4人くらいの人手が必要なのですが、夏休みとか冬休みとか、授業がないときを狙って作業をしなければならないので職人を集めるのが難しい。そこで、比較的時間が自由になる近所に住んでいる卒業生に助っ人を頼んでいるんです。今日は、ギター職人の赤城くんが来てくれました。よく手伝ってもらっているから、どんどんうまくなってきちゃった。さわりたい教室岩田:これまで、あまりに老朽化が目立ち、学校見学に来た皆さんや保護者の皆さんからもメンテナンスの行き届かなさを指摘されることが多くありました。お生徒のみんながより身近に自然を感じられる教室になる。ホントに楽しみです。自由の森学園社会科教員。環境整備部長として設計担当者の選定・交渉に携わる。プライベートでは日本の百貨店めぐりが趣味。「つぶれるデパートは天井が汚い」が持論で、今回のプランも天井を厳しい目でチェックしたとか。3期生。岩田 大樹10

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