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教育理念
デジタル学校案内

「オンラインから始まる関わり合い」は
大人が思うよりもスムーズに

オンラインで

平時には見落としていた
教科を超えた相乗効果

「教科として何を伝えるか?」、「そのためにどの学年にどういうカリキュラムを組むのか」、その課題の量と質についての議論など、内容は多岐にわたりました。

この取り組みで、これまで良くも悪くも各教科に任されていた部分について、教科を超えて議論できたことは、怪我の功名ではありますが、JIYUTubeの成果のひとつです。

各教科が動画をお互いに見合うことで、その可視化はさらに加速されたといいます。その気付きの応酬は、動画を介したちょっとした教育研究会としての役割も果たしたと言えるかもしれません。

オンラインで

オンラインでも「ひとまず交わってみよう」

オンラインへの理解が進んだ2020年5月頃には、当初二の足を踏んでいたZoomを活用して、オンラインホームルームを開始しました。

実は、それ以前にも高3生から「LINEでホームルームをやってほしい」と依頼され、グループ機能を使って開催していたクラスもありました。進路を心配する声もあり、独自でZoom保護者会も行っていたクラスもあるとのこと。こうした先行事例からフィードバックを得られたのも、走りながら考える好例でしょう。

誰もを置き去りにすることがないよう、適切なデバイス環境がない家庭向けには、「自由の森学園の教育を支える会」の支援によって、貸出用のタブレットも用意されました。

また、オンラインホームルームの影響で、6月に開催した入学式では従来と違った様子が見られました。例年なら皆、緊張しているのですが、2020年はオンラインで顔を知っている者同士です。“ようやく会えた”という雰囲気で、和やかだったといいます。

リモート授業

「学びの喜び」を届けるその先に

その後には、リモート授業も開始。しかし当初、反対の立場だった教員もいました。例えば数学の授業。

定理を教えて例題を出し、「解いてください」という、よくある進め方ならばリモート授業も可能ですが、そうではない進め方を日頃から心がけてきた教員にとっては不安があったといいます。

しかし、そんな懸念も『ナスカの地上絵を描く』という動画を撮ったことで、解消されたといいます。ビジュアルで展開していくやり方は、むしろ従来の数学のイメージを変えていけるという実感を得られました。

ナスカの地上絵

数学科では、リモート授業を始めるにあたり「目の前で数学が起こっていることを実感できる授業をつくろう」「問題を解いてもらうような授業はやらないようにしよう」という、2つの約束事を作りました。

今やるべきことは、生徒たちに「学びたい」という気持ちを持ち続けてもらうこと。登校できるようになったら、みんなでこういう学びに取り組みたい、と思ってもらうことだと考えたといいます。

一方、関係性が均一化されたZoomでは、ボソッと予想外の発言をする生徒がいて流れが止まるような嬉しいハプニングが起きにくく、授業が順調に行きすぎてしまうという問題も浮き彫りに。

立ち止まる時間こそが、授業を面白くしてくれる大切な要素だと再確認するきっかけになりました。