自由の森学園 中学校・高等学校 学校案内 2023
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私の「大切」も、みんなの「大切」も。一人ひとりを尊重しながらつくられる場の中で⾭ 颯馬別冊「一人ひとりの〈生き方としての進路〉」にて、3人のインタビューのロングバージョンを掲載しています。ある卒業生たちの歩き方Shirasu Rie東京都あきる野市出身2021年度卒業。立教大学現代心理学部映像身体学科1年。自由の森学園では6年間、中国舞踊部に所属。大学では舞踊を含むさまざまな身体表現について学ぶ。いつか中国へ飛び、本場の舞踊にふれたいと中国語も学習中。美しい舞踊のコツは「呼吸」だという。Kobayashi Marin埼玉県さいたま市出身2021年度卒業。自由の森には高校から入学。人間の心身に興味を持ち、人間総合科学大学保健医療学部へ進む。現在、看護学科1年。患者さんやご家族に寄り添い、医師と患者さんとの架け橋になりたいと考えている。趣味は描画。描くのはやはり人間なのだとか。 自由の森に入る前、みんなで同じ制服を着て、内容に疑問符がつく校則を当たり前に守ってと、何かと選択肢がない環境を不自然だと感じていました。そんな違和感の背景に目を向けられるようになったのが、現在の自分につながるきっかけになったと思っています。 高校2年でコスタリカに留学しました。コスタリカは環境への配慮が至るところでされています。帰国後、日本の状況を見渡してみると、先進国とされている国なのに、コスタリカのような小さい国の足を引っ張っているんじゃないかと感じましたね。他にも疑問がどんどん出てきて、学びを深めたいと思い、高3の選択講座では「環境学」を取ることに。自然資源の活用方法やエネルギーの問題、プラスチックごみなどについて学ぶうちに、環境問題と政治や教育といった他の分野とのつながりも見えてきました。 環境問題は簡単ではないけれど、だからこそつながりが必ずあるはず。大学進学後は、地域という視点から環境問題に取り組む学びを続けたいと考えています。 私はもともと言葉だけが自己表現だと思っていたところがあって、コミュニケーションにも消極的なところがありましたが、身体表現に取り組む中で「これもコミュニケーションなんだ!」と感じたんです。 とくに好きなのは部活にも入った「中国舞踊」。踊りに自分の素の部分を出せる気がしてとても心地がいい。中国舞踊に関わる中で、発表会に向けた会議をしたり、下級生に踊りを伝えたりと、気づいたら言葉を使う場面でも積極的になっていました。大学は、自分の大切な表現となった身体表現を学べる大学へと進みました。 自由の森は、みんなが表現することに馴染んでいる場所。誰も上手下手で測るようなことはしません。表現を通して、お互いに「彼は、彼女はそういうことを大切にしているだね」と理解し合う活動が成り立っています。 平均的に生きることが求められない、誰もが同じである必要はない場所です。入学したら、ぜひ自分にどんな表現が合うのか、探してみてください。 絵を描くのが好きで、表現活動に力を入れている高校を探していて、自由の森を選びました。入学以降、もちろん好きなことにも取り組んできましたが、「好きなことはこの先も自分でできるはず。今しか学べない科目をガッツリやってみよう」と考えて、選択講座で苦手だった理科の講座を履修してみました。そうしたら、「自然科学って面白いじゃないか!」と。 化学反応が目に見える実験にワクワク。人間の体内でも同じような化学反応が起こっているんだと聞いて、さらに感動。化学反応なんて考えたこともなかったけど、自分の中でも起きていたことでした。 なにが嬉しかったかというと、どんな初歩的なことを聞いても教員たちがていねいに説明してくれること。授業の内容から離れたことを聞いても、時間を割いて教えてくれます。テストのためではなく、自分のために学べると学問って夢中になれるようです。 理科の授業をきっかけに人体への興味が深まり、人間の内面も含めてもっと学びたいと思うようになり、進路に選んだのは「看護学科」。また、ちょっと違う場所に向かうことになりますが、楽しみたいですね。Ao Souma千葉県我孫子市出身2021年度卒業。都留文科大学教養学部地域社会学科1年。高校から自由の森学園に入学。コスタリカ留学と選択講座「環境学」により、環境問題に興味を持つ。高3の時には、環境問題に取り組むNPOや企業に話を聞きに行くなど、自主的な学びを重ねていた。CHECK !20さんさんさん複雑なつながりを見いだしながら、これからも環境問題に取り組みたい白須 里英小林 茉鈴あえて苦手科目を選んだら、ハマった。本当は魅力的だった自然科学の世界

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