自由の森学園 中学校・高等学校 学校案内 2022
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選択講座の一部を紹介します!林業講座 学園のある飯能市は江戸に木材を供給していた林業で栄えた街です。その地元飯能の主要産業を学びながら、林業の現状と将来について、地域と地球の環境について、森林と人間との関係を考える講座です。主には、学園の周辺に広がる民有林をお借りして、間伐などの作業を行います。まったく手入れされていなかったスギ、ヒノキ林の間伐と枝打ちを行うことによって、真っ暗だった人工林が明るい林に変わっていきます。 栃木県の日光・足尾に行き、森林の破壊と再生の現場を体験する合宿を実施するほか、白神山地を訪れるスタディツアー、炭焼きやロケットストーブ作りも行います。学園付近の森林で林業体験をします。管理が行き届かない森林が直面する問題を、体験を通して考える機会でもあります。映画制作 企画から台本作り、キャスト決め、撮影場所の下見(ロケハン)、撮影・編集とプロの映像製作の現場で行われている工程を体験する講座です。プロが作った映像がどのように作られているのか、現場の様子を映像で知る機会も設けています。 作るのは、みんなで考えを出し合って撮影する「メイドイン自由の森」のオリジナル作品。映像制作の知識や技術の習得に限らず、自分と違う感性や発想、表現に触れることを通して、さまざまな発見を体験してもらいたいと思っています。「何を、どう撮るか」。発想を映像表現に落としこむために必要な、基礎的な知識や技術を得るだけでなく、仲間の表現からも発見を得ていきます。自然から受けとった色から自分の「好き」を見つけます 「染める」「紡ぐ」「織る」をイチから体験できる授業です。「染める」は染料になる植物の採集から始まります。体育館脇に生えているような草木も、立派な染料です。 たとえばビワ。葉をグツグツ煮詰めてできた染液に綿を漬け込むとピンクに近いオレンジ色に染まります。市販の染料も使い、分担して染め上げる綿は20色以上。その中から自分が使いたい色を自由に選び、糸車にかけて「紡ぐ」作業に入ります。手紡ぎなのでボコボコした風合いになりますが、それも味です。 そうしてできた糸を織機にかけて「織る」。一枚のマフラーにしていきます。同じ糸でも縦糸にするか横糸にするかによって仕上がりが変わります。色を選んだり組み合わせを考えたりするとき、私の「好き」って何だろう?と悩み、あらためて自分自身と向き合う機会になりました。 高1の必修美術でも染織を扱いますが、選択講座では、自分のリズムで作業できます。学年をまたいでもOK。私も高2から卒業まで、時間をかけて仕上げていきました。自分が求めている色、カタチと向き合う作品づくりの時間。納得のいくものを、時間をかけてじっくりと。染織内田 花音 さん東京都目黒区出身2020年度卒業武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科1年わたしの選んだ講座は139

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