自由の森学園 中学校・高等学校 学校案内 2022
34/68

 人間生活では人間が「生きる」こと、日々「生活をする」ことについて考え、とりわけ「食」を大切な要素として扱います。 例えば、大豆は私たちの食卓に欠かせない食材であり、味噌や醤油、豆腐など数々の加工食品の原料です。授業では大豆をすり鉢ですり、きな粉を作ります。原料と格闘して食材を作る喜びは格別で、「食べ物の力を自分で生み出していく」という生活の基本的な感覚を呼び覚ましてくれます。 「食」には、日々の生活を彩る一面もあります。日本人は昔から旬の素材を愛で、素材の彩りや香り、美しさを生かした調理方法をあみ出してきました。一方で、長寿国として知られてきた沖縄には豚を扱うハレの食文化があり、さらに南アジアの国々には多様なスパイスを調合するカレーの文化があります。それぞれの文化として育まれた「食」が、人間の暮らしに与えている力は計り知れません。  授業では、その力を感じ取りながら、同時に「命ある動物の肉や植物を食べる」という営みの意味を掘り下げていきます。私たちの生活は「命をいただく」ことと切り離せないからです。 人間の生き方に正解はありません。だからこそ、長い年月をかけて生み出された生活の方法を知り、その在りように豊かな思いを馳せることは、一人ひとりが自分らしい生き方を探していくうえで大切なことなのです。人間生活科が行う授業は、生涯続くその営みの土台づくりの場になります。学んだことをポスターにまとめるグループ学習の時間。私たちが生活していくことの近くにある、さまざまなテーマを取り扱います。年度末には、学びの集大成として2つのプレゼンテーションを行います。ひとつは情報もしくはコンピュータに関連すること。もうひとつはフリーテーマで、一人ひとりが興味のある内容を調べて発表します。現代を生きるための「伝える力」「受けとる力」情報生きることの周辺にあるものを見渡して情報Information人間生活Human life3535

元のページ  ../index.html#34

このブックを見る