自由の森学園 中学校・高等学校 学校案内 2022
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 人と関わるのが好きで、在学中は演劇部やサンバサークル、民族舞踊部に郷土芸能部、文画部などいろいろなところに顔を出していました。高3では演劇部の大道具のリーダーになることに。受験の準備と合わせて、仲間と舞台づくりに励んでいました。 人と関わる形として「観光」に興味を持ち、関連する学部を調べたら和歌山大学がヒット。大学入学共通テストの対策を猛然と始めました。予備校には頼らず、自習してわからないところを各科の教員に聞くスタイルです。英語はリスニング、数学は三角関数についてアドバイスをもらいました。理科は参考書との相性に気づかされ、正答率が1か月で96%まで伸びました。 推薦書の用意も日本語科の教員がサポートしてくれて、学校に合格通知が届いた日は「よっしゃー!」とみんなで大歓声を挙げて喜びました。受験勉強なんて自由の森っぽくないと思う人もいるかもしれないですが、行事や部活と同様に「受験勉強をしたい!」も、当然教員の皆さんが支えてくれますよ。「自由の森は受験勉強できない」なんていってる後輩には喝を入れたいですね。 中学まで全然興味がなかったのに、自由の森の高校に入って数学にどっぷりハマりました。数学って、公式を覚えてひたすら数式を解いていくイメージがありますが、この学校では違いました。たとえば「どうやったら面積を求められる?」と、埼玉県のイラストを渡されるんです。小学校で習った三角形や四角形の面積の求め方を使うなど、人によってさまざまな意見が出てきます。一見、まとはずれに見えても教員は耳を傾けてくれて、いろいろな考えを足し合わせて少しずつ答えに近づいていきます。高等数学なのに、自分達で謎を解き明かしていく感覚がすごく面白かった。 数学系の高校選択講座もたくさんあります。新型コロナの感染者数で統計を学んだ授業は今ならではですね。ほかにも、二次関数の教材でパラパラ漫画を作ったのもの印象に残っています。 まだまだ数学の世界を味わいたいので、大学も数学科を選びました。今のところ将来は教員になりたいと考えています。できれば自由の森がいい。先入観で数学ギライの人、多いですよね。この学問の魅力をもっとたくさんの人に伝えたいんです。受験だって「やりたいこと」のひとつ。部活を続けながら大学受験に挑みましたつまらないと思われがちな数学も、ここでは「みんなで謎を解き明かす時間」でしたIwai RukaHirano YuukiNakano Yuto東京都国分寺市出身埼玉県飯能市出身東京都立川市出身 郷土芸能部と民族舞踊部に6年間所属していました。芸能を入り口に、昔の文化の在り様に興味を持ち、「農業」や「古文・漢文鑑賞」などの選択講座をたくさん履修しました。 自然科学系の授業もガツンときます。「物理」では音がより響く位置や叩き方を、「自然」では人間が音を聞いてどう感じるかや、歌の力を知りました。「小岩井生態学」では生態系と文化が密接に関係していることを実感。たとえばニホンオオカミが生息していた秩父では狼信仰が今もなお残り、そこから生まれた舞があります。当初は「本当に芸能に関係あるのかな?」と半信半疑でしたが、授業との相乗効果は僕の予想以上でした。踊りのカッコ良さばかり気にしていた自分が、背景になる歴史や宗教などを念頭に置きながら踊るようになりましたね。 進路として目が向いたのは、エイサーや三線など独自の伝統芸能が息づく沖縄。沖縄県立芸術大学に来ました。琉球文化がどのように生まれ育ったのか、音楽を切り口に掘り下げています。芸能を支えるアートマネジメントも学び、文化の振興に貢献できる職業を視野に入れています。伝統芸能から学びが広がった6年間。今度は琉球文化を探っていきたい2020年度卒業。沖縄県立芸術大学音楽学部音楽文化専攻沖縄文化コース1年。高3では郷土芸能部の副部長を務め、コロナ禍で誕生した校内イベント「白紙彩(はくしさい)」での有志企画に出演したほか、民族舞踊部・中国舞踊部との合同発表会をオンラインで実現した。2020年度卒業。和歌山大学観光学部1年。関東から出てみたいという思いから大学は地方一択。オープンキャンパスは「青春18きっぷ」を手に鈍行列車を乗り継いだとか。地域の文化や自然を保全できる観光を探究している。2020年度卒業。自由の森学園には高校から入学。純粋数学を学ぶため城西大学理学部数学科に進学。通い慣れた飯能を経由して坂戸キャンパスに通っている。生徒と一緒に数の世界を探求する数学教員が将来の目標。特技はルービックキューブを数秒で揃えること。岩井 路加平野 遊亀中野 優飛さんある卒業生たちの歩き方別冊「一人ひとりの〈生き方としての進路〉」にて、3人のインタビューのロングバージョンを掲載しています。CHECK !さんさん15

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