自由の森学園 中学校・高等学校 学校案内 2021
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◤生活の延長にある社会を共に見つめて 平和、環境、エネルギー、格差・不平等など、社会には、解決の難しい問題がたくさんあり、それらは思いがけず、いつも私たちの生活の隣に存在しています。社会科の授業では、そのうちのいくつかを「自分ごと」の問題としてとらえ、議論していきます。 例えば、すべての人にとって身近な問題の「お金」。お金を得るための代表的な方法は労働ですが、その賃金を決定する考え方には、いくつかの種類があります。年功序列、能力主義、同一価値労働・同一賃金制。いったいどれが良いのでしょう? 一人ひとりが自分なりの知恵を出し合い、それぞれの考えを突き詰めていくと、仕事の内容ばかりではなく、仕事にまつわる社会保障の整備や社会的弱者への配慮など、労働以外のいろいろな要素を合わせて考えていくことの大切さに気づき始めます。そして、ああでもない、こうでもないと意見を言い合いながら、最後に必ず行き着く問いがあります。それは「幸せって、どういうこと?」という人類最大の問題です。 社会には、いろいろな価値観を持つ人が暮らしています。その中で、できるだけ多くの人が人間らしく幸せに暮らしていける社会にするために、いったい何をすれば良いのでしょう。  議論の目的は、全員一致の答えを出すことではありません。大切なのは、他者の意見に耳を傾け、そのうえで自分の意思を表明し、共感や葛藤を味わうこと。そして対話そのものに、人との確かなつながり合いを感じられることです。社会科では、そんな市民社会的な「公論」が生まれることを授業の場で目指しています。【レポートづくり】授業の中で学んだことや感じたこと、その内容をさらに掘り下げて追求した内容を、一人ひとりが創意工夫した独自の作品に仕上げます。中学3年、高校3年ではレポートの発表も行います。社会参加するのは主体的な意見を交わし合う「公論」の場26

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