季刊もりのあと別冊2021
14/20

INTERVIEW /06阿部 琢美さん Abe Takumi2020年度卒業。中学から男子カバディ部「ジモディ」に所属。学生大会優勝、全日本選手権大会3位を経て日本代表にも選出されたが、2020年はすべての大会が中止となってしまった。生徒が立ち上げたコロナ禍の新しい行事「白紙彩」を実行委員長として牽引。現在、桜美林大学リベラルアーツ学群3年。今だから、自分達だからできる今だから、自分達だからできる行事をつくりたい。こんな時でも。行事をつくりたい。こんな時でも。見が出ました。そこで10月は安全にできる競技に限定した体育祭やフェスイベント、12月は展示やねぶたなどをメインとした文化祭・後夜祭のキャンプファイヤーと、みんなで楽しめる企画を盛り込みました。ただし安全対策のため生徒のみの参加。換気や人数制限も徹底しました。 短い準備期間でしたが、ライブやファッションショー、筋肉自慢などの有志企画も集まり、例年の学園祭に引けをとらない盛り上がりを見せた白紙彩。自由の森の生徒たちの行動力に、改めて「すげえなあ」と圧倒されましたね。多様な人たちと学び合いたい 漠然と進路をどうするか考えた時に、「人と関わりながら物事を形にしていくことが好きだな」ということが、自分の中にありました。白紙彩を作っている時期と重なっていたことも影響があったでしょうね。そこで、桜美林大学のリベラルアーツ学群というところが目にとまりました。 文系・理数系・情報系など、分野を超えて専攻プログラムを受けられるのが、最初に興味をもった点。なかでもコミュニケーションについて学べる心理学は、ぜひ受けたいと思いました。緑の多い町田キャンパスが、自由の森に似ていることも決め手になりました。自然の多いところが好きになってしまって、もう都会っ子には戻れないかも。住んでいるのは東京なんですけど。 教員にお願いして面接の練習を重ねて意気込んでいたものの、コロナ禍のため本番の面接はオンライン。思ったよりあっさり終わってしまいました。現在、大学でもリモートが続いていますが、早く全部の講義を対面で受けたいですね。動けば手に入るもの 自由の森学園は、自分から動けば動くほどいろんなものが手に入る場所。逆に、自分が何をしたいかを自分で気づこうとしないと、もったいない学校かもしれません。 「自分は引っ込み思案だから……」と、不安になる人もいるかもしれませんが、ここにいれば、いろんな人がさまざまなことに取り組んでいて、「あれ、やってみたいな」とか「気になるなぁ」というものが、どんどん目に入ってくるのでは。やったことがないことでも、苦手そうなことでも、「やってみたい」という人には、「じゃあ、一緒にやろうよ」と、言ってくれる仲間がいる場所です。 とはいえ中学からやっていたカバディは、コロナのせいで不完全燃焼のまま高校を卒業せざるをえませんでした。桜美林大学にはカバディ部はありません。でも、カバディ部のメンバー数人が同じ地域の大学に進んだので、それぞれ大学の友だちを誘ってチームを作ろうと考えているんですよ。とりあえずチーム名は、「町田ボーイズ(仮)」かな。コロナ禍の新たな「行事づくり」 コロナ禍とともに始まった、高校最後の年。所属していたカバディ部の部活も大幅に制限されました。喋るし、触ることが目的だし、息も荒いし。そりゃそうですよね。さらに体育祭がなくなり、学園祭も音楽祭も難しいのではとのこと。部活はまだしも、三大行事までが危機と聞いて、みんなストレスが溜まっていました。 自分自身も楽しみたかったし、下の学年に行事のつくりかたを伝えたかったというのもあります。 「コロナ禍でも安全にできる新しい行事をつくりたい」。 そんな思いを、仲間と一緒に学校にも伝えました。ゼロから作る行事「白紙彩(はくしさい)」プロジェクトの始まりです。名前は、まっさらな白紙にそれぞれがそれぞれの方法で色を塗っていこうという意味です。僕は実行委員長に手を挙げ、怒濤の準備期間を過ごすことになります。みんなが交流できる企画を 10月と12月の2回に分けて実施することになった白紙彩。無理をせず12月だけでも、という意見も出たのですが、高校1年生から「高校から入学した新しい仲間と早く何かをしたい」「交流をメインにしたイベントをやりたい」と意14

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る