季刊もりのあと別冊2020
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ギーを取り上げました。 バイオマス発電や、畑の上にソーラーパネルを置く営農型発電、小型水力など地域で取り組み可能な小規模分散型発電についてまとめたレポートを作り、無事一次選考をクリア。二次選考ではポスターにまとめて30分程度のプレゼンテーションを行い、無事に合格することができました。発信することに意味がある 少し前に話題になった同世代の環境活動家のグレタ・トゥーンベリさん※には、ハッとさせられました。世の中を動かすには、私たちは「声をあげること」が必要なんだって。それには私は、まだまだ多くのことを知らないといけないと考えたんです。 「韓国講座」のスタディツアーで何度も韓国に行きました。現地の高校生たちと交流して、当初は「いやぁ楽しいなぁ。あはは」とか思っていましたが、いや楽しんでいる場合じゃない。交流して終わりにしている場合じゃないぞって。大学では、自由の森で得た知識と経験をさらに磨きながら、意見を発信する場にしたいと思っています。自分から動けば生活はもっと楽しい 授業以外でも、休み時間に「お昼ご飯アレ食べた」とかと同じ流れで、社会の課題について、友人とよく話をしていました。興味はそれぞれバラバラ。環境問題に興味のある子は白神山地へ森を見にいっていましたし、沖縄の基地問題に興味のある子は、沖縄へ足を運んでいました。 裁判が好きで、裁判の傍聴にもしょっちゅう足を運んでいた子もいました。「注目されている事件は傍聴したい人が多くて、抽選になるんだよ」とか教えてくれて「へぇ〜」って。彼女とは「プロフェッショナルに会いにいく」という授業で、いっしょに弁護士の方をインタビューしたり、裁判を傍聴したりもしました。裁判は重苦しい内容でしたが、裁判所近くのおいしいごはん屋さんや、裁判マニアネットワークの秘密を教えてもらったりして楽しかったですよ。 今って、スマホを持っていると、自分で何かを体験した訳でもないのに、何かを知った気になれる。簡単に現実逃避ができますよね。スマホの上で、受け身になって文句言っているだけでは何も変わりませんからね。見えないところで、自分たちの生活がどうできているか、何がおびやかされているのか、興味を持って動いてみると、いろいろなものが見えてくるんです。 いつまでも分からないこともまだまだたくさんありますけど、たくさんの人に出会って、たくさんのことに触れていきたい。そういう時間を過ごすことで、生きることって面白くなるんじゃないかなぁ、って思うんです。民族舞踊部のステージより。お気に入りの演目「中野七頭舞」は、岩手県に古くから伝わる五穀豊穣を祈る踊りのひとつ。※スウェーデンの若き環境活動家。2020年に17歳になった。「国連気候行動サミット2019」や「世界経済フォーラム」などで発言し、各方面に影響を与えている。授業で取り組んだことが支える進路 私の場合は、自由の森で学んできたことが進路選択にとっても役立ちましたよ。受験した都留文科大学の教養学部地域社会学科は、活動評価型という入試で、一次選考では中高で取り組んできた活動を説明することが求められました。テーマ例は、自治体や国の政策課題、国際問題や国際交流、リサイクル、自然の保全活動、持続可能な地域社会に関する研究など。さまざまな内容が掲げられていましたが、正直どれも授業で取り組んだテーマばかりでした。 たとえばフェアトレードについては、中学の時に社会でじっくり学びました。チョコレートやバナナ、コーヒーなどを安価で供給するために、生産者に正当なお金が支払われなかったり、子どもが働かされていたり。過剰に農薬が使われて環境破壊や健康被害を引き起こしている場合も。こういう実情と、それを改善しようとする活動に触れる時間でした。知識が広がりつながる選択講座 高校の選択講座で選んだ授業も、この受験につながっていました。森を切り拓いて畑をつくるプランテーション、生物多様性を失う人工林の問題などについて考えた講座、「自然」。日韓問題について討論し、韓国の高校生とも交流した「韓国講座」。ほかにも、受験はどんなテーマでもいけるなぁと悩みましたが、最終的に「環境学」という講座で調べた自然エネル3

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