季刊もりのあと別冊2018春 一人ひとりの生き方としての進路
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Interview /02村島 駿介さん Murashima Shunsuke2017年度卒業。自由の森学園には高校から入学。部員不在だった野球部を立てなおすほか、複数の体育系の部活・サークルに所属。現在、体育科教員を目指して、東京国際大学人間社会学部スポーツ科学科に進学し、最新のスポーツ理論を学んでいる。身体を動かし続けた3年間 身体を動かすことが好きで、野球サークル、バスケ部、サッカー部をかけ持ちして在籍していました。ちょっと変わった形だったかもしれませんが、たくさんの仲間とスポーツを楽しめた高校時代だったと思います。 中学時代は強豪校といわれる学校で野球をしていたのですが、自由の森でも野球をしたいなと思い、野球サークルを立ち上げました。まず野球に興味のある同級生を勧誘するところからのスタート。練習メニューも僕が考えて、コーチ兼監督兼選手のような形で活動していました。夏の甲子園予選にも出ましたが、なにせできたばかりの急造野球部です。すべてにおいて経験値が違いますね。ボロ負けでした。 バスケ部は高2の時に誘われて入部。サッカーは3年の中頃、メンバーが少なくなった部のヘルプで始めました。きっかけはそれぞれですが、どの部も僕にとって大切な場所でした。スポーツは身体表現 中国舞踊にボール運動、ソフトボールにカバディ、太極拳、陸上運動etc。選択講座も身体を動かす講座ばかりを履修していました。いろいろなスポーツに興じることで体に変な癖をつけず、バランス良く鍛えられるかなと思って。それに、身につけた技術を違う競技に応用することで新たな発見もあります。 プロアスリートのフォームを真似してみたりもしました。遊んでいたわけではないんですよ。一流の人がそのフォームを選んでいることには理由があって、どの部分をどう動かすと、どんな力が働くのかとかすごく奥が深いんです。そういうことを知る中で、「スポーツは身体表現なんだな」と感じるようになりました。 そもそも自由の森の「体育」は、一人ひとりが自分の身体を見つめることを大切にした時間で、優劣をつけることはありません。それは運動系の部活でも同様で、たとえばバスケ部でも、初心者も経験豊富な人も、それぞれが上達するためにどんなタイミングで声を出して、どんなプレーをつなげるのか、みんなで考えて答えを出すことを大切にしていました。それを繰り返す中で仲間のプレーが変化して、上手くいかなかったことがスムーズにいくようになると、嬉しいんですよね。それに、自分はすでにマスターしたと思っていた技術的な部分も、実は改善の余地があったと気づくキッカケになることもあります。こういうことって、点数至上主義の現場ではあまりない嬉しい時間だろうな、と思います。「他のスポーツとは違う独特の身体の使い方に触れて興奮した」という、選択講座の「太極拳」。身体を通して考え、伝え、楽しむことの中にあるもの4

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