季刊もりのあと別冊2018春 一人ひとりの生き方としての進路
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Interview /05坂下 要美さん Sakashita Kanami2017年度卒業。自由の森学園には中学校から入学。洋楽を好み、旅行で海外に行くことも多く、異文化に興味を持つ。選択講座では英語系の選択講座を複数受講。現在、武蔵大学人文学部ヨーロッパ文化学科1年生。中国舞踊に打ち込んだ6年間 在学中は、中高を通して中国舞踊部に所属していました。伝統の踊りに触れる中では、きらびやかな衣装をまとって、美しく見える動作を発見する楽しさがありました。多くの演目が複数の踊り手によるものなので、息を合わせることも大切でした。学園祭や毎年3月にある郷土芸能部、民族舞踊部との合同発表会が大きな発表の舞台ですが、見ていただいた方々に大きな拍手をもらえると、やはり嬉しかったですね。カナダでふつふつと湧いた異文化交流への興味 この4月から武蔵大学でヨーロッパの語学や文化、その背景にある思想、社会問題などを学ぶ学科に進学しました。異文化への関心を深めたのは、高校1年次に履修した選択講座「Study Abroad(※1)」の影響が大きいかもしれません。約2週間カナダでの生活を体験する講座ですが、そのために半年以上かけて現地の文化を学び、カナダの子どもたちとどんな交流をするのかみんなで考えます。そんな時間の中で、日本文化をプレゼンテーションすることが決まったのですが、私たちが人に説明できるほど日本の文化を理解していなかった。異文化交流の入口は、自国の文化を学ぶところからでした。 訪問するカナダのキャンベルリバーという街は、海と森に囲まれた自然豊かな場所。滞在中はホストファミリーの家から小中高一貫校へ通います。ファミリーの子どもたちと遊んだり、学校で授業を受けたり、小学生と一緒に書道や折り紙といった日本文化体験に興じたりと、さまざまな交流を楽しむことができました。 一方で、ちょっとショックだったのが自分の英会話のつたなさ。出発前に多少は準備していたので、もう少し喋れるつもりでしたが、もどかしい思いでいっぱい。現地の皆さんは優しく受け入れてくれましたが、「ありがとう」というシンプルな言葉さえニュアンスの違いを表現できないことに、もやもや続きでした。「もっと外国語を学びたい」という思いを抱いて帰国しましたね。 帰国後は、外国語や異文化理解を深める選択講座をたくさん取りました。なかでも「English Reading & Writing」という選択講座は、ネイティブの教員から学ぶ講座。ここではずいぶん鍛えられたと思います。私たちは何でもできる 自由の森での6年について思い返すと、一言「楽しかった」に尽きます。そう感じるようになった最初のきっかけは、中学1年の時の学習発表会でした。理科で耐熱性の紙をつなげた大きな熱気球を作ったんです。フラフープで円形に整えた開口部に熱を送ると、ふわりと10mくら飯能市民会館にて行われた、中国舞踊部、郷土芸能部、民族舞踊部の合同発表会より。毎年行われるこの発表会は、年度末の集大成の場。観客席はいつも多くの人で賑わいます。選択講座「Study Abroad」で赴いたカナダキャンベルリバーにて。日本文化を伝えるプレゼンテーションを行いました。カナダからヨーロッパ、異文化を学ぶ旅へ10

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