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「誠実な本」であること。そして「ひとりの時間に寄り添ってくれる本か」と、「好奇心の扉をあけてくれる本か」と。mountain bookcase長野県諏訪郡富士見町落合9984-574営業日:原則 土・日・月曜日営業時間13:00〜18:00(SNS等でご確認ください)mountainbookcasemountainbookcaseんはこんな本探してるかな」という思いが、いつも頭を巡っています。 まだここに来て1年足らず。畑に例えたら耕している段階ですが、本を買いに来る方のみならず、悩み相談や移住相談の方まで、幅広い方に来ていただけるようになりました。 私にできることは限られますが、お話ししたり、移住に関しては役場の担当の方を紹介したりしています。 本屋だけど、本ばかりが主役じゃない。この場所をきっかけにして何かが動く——。こういったスタンスが、 自分にはちょうどいいのかも。うちのお客さんを介して出会った同士が結婚、なんてこともありました。こういう「場づくり」って、自分がつくった場じゃないと自由に心置きなくできないもの。ふと何かのつながりができる時間を味わう中で「店を開いてよかったな」と感じています。 この富士見という町は、私にとって「ここでは何もできない」と飛び出していった場所でした。それでも今、ここで何かを考えたり、行動をすることの土台になっているのは、10代の頃の記憶や感覚です。 通りを歩くだけでも、さまざまな記憶が蘇るこの町で、いろんな人がふらっと立ち寄ってくれるようなお店を開き、この町を楽しんでいる人たちと軒を連ねて過ごす日々は、あの頃とはまったく違うものになりました。 長いこと地元との関わり方が分からなかったのですが、いかりを降ろした途端にいろんなものが見えてきたように思っています。 そして、 こんな風にひとつの場所と深く関わることができるのは、生まれ故郷か、そうでなければよほど気に入った町でしか考えられないんじゃないかと思うようになりました。 そう思うようになったのも、一度地元を離れて旅をしてきたからこそなのかもしれません。13旅はここで続いていく

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