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7塚内 素子 校長1992年より埼玉県の公立小学校教諭。その後、埼玉県教育局、公立小学校教頭を経て、2018年より現職。「子どもが伸びる姿を見ることが何よりの幸せです」。飯能市立 飯能第二小学校鬼沢理事長(以下、鬼沢): 飯能第二小学校(以下、第二小学校)とのご縁は6年前のサマースクールでしたね。算数の補習授業をする際に、「自由の森の高校生にサポートしてもらえないか」と声をかけていただいた。数学が得意な生徒に声をかけて一緒に第二小学校に伺い、プリントの丸付けや問題の解き方を一緒に考える時間を過ごさせてもらいました。自由の森の高校生も、人に何かを教える機会は普段なかなかないので、少し緊張していたみたいで、小学生がどうやったら分かるか事前に試行錯誤していたようです。「ゼロの考え方はどうやって伝えたらいいのだろう?」と悩む生徒もいて、教員も交えてミーティングをしたのを覚えています。塚内校長(以下、塚内):小学生にとっても、高校生のお兄さん達に勉強を教えリアルな体験の中で自然と向き合う意味「どうやって伝える?」憧れのお兄さん達が奮闘したサマースクール鬼沢: その後、小学校3年生で森林学習があるというので、私が高校で受け持っている選択授業の林業講座とコラボするかたちで、間伐体験なども一緒に取り組ませてもらいました。事前学習の時間からお邪魔して、森林というのはそのまま放っておくと荒れてしまうので、間伐や枝打ちなど手を入れる必要があることなどを説明し、それから実際に地域の森林に入って、木を切り倒すところまでご一緒しました。塚内:あの取り組みも、うちの児童たちにとって、とてもインパクトのある体験になったようです。木が倒れる時の「メキメキメキ!!」という音や、倒れた時の「ドーン!」 という震動を味わうことひとつとっても、日常の中にはないのに実はすぐ近くにある、もの凄いリアル。みんな目を丸くして「おどろいた!!」と仰天していました。帰りに、切った木の輪切りを児童たちにお土産にいただきましたよね。切りたての木は水を含んでいて重かったり、置いてあるだけで豊かな香りを放っていることを知ったり、さっきまで地に根を張っていた木の手触りを確かめるようになぞってみたり。実際に体験しないと分からないことを、たくさん持ち帰らせてもらったように思います。林業は飯能という地域にとって切り離せない産業。林業のことを児童に教えたいと思った時に、プロに聞けばいいかとも思ったのですが、私たちは林業のプロを育てたい訳ではない。小学生に教育として林業を伝えるのに、どうしたらいいかと悩んでいた時に、座学と体験を合わせてこんな形でご一緒できたのは、とてもありがたいことでした。てもらうことは、とても貴重な経験になったと思います。小学生と高校生くらい歳が離れているのがポイントで、中学生だと年齢が近くて真剣に話を聞くような「憧れの対象」にはなりにくいのですが、高校生くらいだと、ちょっと緊張するんですよね。一緒に何かを学ぶという場では、それくらいの距離感がいい。だから「小高連携」というつながりは効果的なんです。とくにうちの学校は児童の数が少ないですし、教員も10人と少し。6年間クラス替えもありません。学校生活の中で関わる人の数が極めて限られているので、少しでも多くの人とコミュニケーションする機会を設けたいと思っていました。サマースクールの後はすっかり打ち解けて、一緒にプールに入って、水を掛け合ったりお兄さん達によじ登ったりして本当に楽しそうでした。鬼沢 真之 理事長自由の森学園 中学校・高等学校

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