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13「誰がこんなの応募するんだ」と思いながら応募して、当ててしまった西武ライオンズの冷蔵庫。置き場に困ったことが、お店をオープンするキッカケのひとつになったとか。思いがけずお店を始めることに 調理師専門学校を卒業してから、保育園の調理室を経て、人の紹介で思いがけずお店をやることになりました。「お店を持つ」という目標を持っていた訳ではなかったのですが、懸賞でライオンズの冷蔵庫が当たっちゃってもてあましていたし、あれ、なんかもしかして出来なくはないのか? という感じでした。 お店を出すにあたって、いくつか自分の中で決め事を作りました。「お米のごはんを中心にすること」「できるだけ自分の手で作ること」「野菜は地場のものを使うこと」。そして「自分が自信を持って出せる食材を使うこと」。 手間を考えると、経営的にはよくないのかもしれないですが、私ひとりでやっているお店なので家賃さえ払えればいいかと。食べるものはまさに、売るほどありますからね。ごはんを作る人たちに喜ばれて 所沢で始めて、ちょっとした都合で川越に引っ越して来て、だいたい2年です。お客さんは9割が女性ですね。それも私より上の世代が多い。家では料理を作って出す立場の人が、「ちゃんとしたものを食べたいけど、今日は楽して食べたい」という時に食べに来てくれるようです。おかげさまで常連のお客様も増えてきました。「元気注入しに来ました」とか「無性に食べたくなるんです」とか言っていただけることもあって、お店やって良かったなぁと思っています。 改めて振り返ると、「私は人に恵まれているなぁ」ということに尽きます。お店を始めるきっかけも声をかけてくれた人がいたからだし、今の川越の物件もここでカフェをやっていた人が移転する時に声をかけてくれたのがご縁。困ったことがあると誰かが助けてくれたり、助けになる人を誰かが紹介してくれたりする。そんな周囲の方々にお世話になって、お店を続けて、私自身も生きているように思います。調味料職人へ 今後は、ごはんを作るのは少し縮小して、前からやりたかった自分で作った調味料の販売もやっていきたいと思っています。人には「3年目ですでに規模縮小ってどういうことだ」と突っ込まれますが、料理の手前にある梅干しや味噌を自分で作るということを忘れないようにしたいんです。 お味噌の作り方は母と近所のおばちゃんに教わったし、梅干しは祖母に習った。私が作る味は、私だけで作った味ではなくてどれも何人もの人が関わった味です。伝承、といったら大げさですけど、そういうものを途切れさせてしまうのは、もったいないなと思っているんです。https://www.facebook.com/sai.kasumi.gohanhttps://www.instagram.com/sai.kasumi.gohanSai Kasumi ごはん 埼玉県川越市六軒町2-2-9営業時間:11:30~17:30定休日:月曜日・隔週火曜日 他

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