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11渡邉 さやか(自由の森学園 食生活部)❺ きゅうりのピクルス 季節ごとに、毎年同じ営みが繰り返されることで、つながっていく味があります。誰かに教えてもらわなくても、体に沁み込んでいるあのごはんの味。「当たり前」ほど、貴重なことってないのかもしれませんね。 食堂にある5種類のカレー。チキン・ラム・ポーク・ドライ・ベジタブルとそれぞれ辛さや甘みや酸味が異なり、個性ある味わいの虜になる人も少なくありません。クミンやコリアンダーなどの数種類のスパイスを巧みに使い、スパイシーでコクのあるこだわりのカレーです。 食堂のカレーには、きゅうりのピクルスが欠かせません。梅雨入り時の6月初旬、きゅうりが収穫期を迎える頃から、毎年1年分の約120キロのピクルスを作っています。たくさんの人の手で繰り返し作り続けている味が、食堂のカレーをよりおいしくさせているように感じます。特別なものを作るのではなく、いつもと変わらない味を作ること。毎年同じ営みを繰り返し、作り続けることで叶う味があるのです。 食堂のごはんには、この場所に携わってきたたくさんの人の知恵や30数年間培われてきたレシピがあります。長い年月を経て張り巡らされた根があるからこそ、自由の森学園の食堂は成り立ち、そして続いていくのです。 日々の「当たり前」が生み出す味。身体が記憶して作り続ける味は、日々過ぎていく暮らしの積み重ねと同じことなのかもしれません。今日が明日へとつながっていくように、当たり前の営みを大切にしていきたいものですね。食べ始めの目安は3週間後!1年くらいで食べきるのがおすすめですきゅうりのピクルスのつくり方(きゅうり1kgの分量)a.塩漬け用の塩300~350g b.ピクルス液 (砂糖90g 酢150cc 塩25g ローリエ1枚 唐辛子2本)① きゅうりを綺麗に洗い水気を拭きとったら、aで塩漬けにする(重量の3~3.5%)  食品保存用袋やバットなどにきゅうりを敷き詰め、2倍の重しをのせて一晩おく② bの調味料を全て合わせて、砂糖が溶けるまで煮たら冷ましておく  ※ステンレス製の鍋でやりましょう③ 鍋にたっぷりお湯を張り、沸騰したお湯にきゅうりをさっとくぐらすPoint! 湯がくことで表面が乾き腐りにくくなり、そしてカリッとした食感になります④ 綺麗な布巾で水気を拭き取りながら隙間ができないように瓶に詰めていく⑤ ピクルス液をきゅうりが出ないように上まで注ぎ入れる⑥ 瓶のふたをしっかり閉めて、冷蔵庫で保存する

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