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444大きな飛行機を作ったり、行事の実行委員会に入ったり、目の前のことを楽しんでいました」。学生時代に味わったゲストハウスという体験 そんな2人が営むゲストハウスは、昭和時代前半に建てられた民家を活用した、同窓会でほぼ「初めまして」 そもそも2人は高校時代のクラスメイトでした。しかし春奈さんいわく、在校当時は会話もほとんどしたことがなかったとか。「洋治さんは、クラスをまとめるタイプの目立つ人。私はみんなの前で何かをするような人ではなかったから、当時はまったく接点がなかったですね。それが、卒業してからこんな風になることもあるんですね」。「たしかに3年間全然喋っていないかも。それが同窓会で“あら、いいじゃない”って」。 再会した時のことを、恥ずかしそうに語る洋治さん。春奈さんとの関わりは卒業後まで持ち越しとなったようですが、高校生活は充実したものだったようです。「私は高校から自由の森学園に入学しましたが、テストがないことが僕に合っていました。中学はテストばかりしている学校だったのですが、テストを中心に生活していたのが辛かったんです。楽しいことをしていても、いつもどこか楽しみきれずにいましたね。高校では、目の前のことを純粋に楽しめる心地よさがありました。人力飛行機部で趣のある建物。ゲストハウスを始めたきっかけは、洋治さんが海外を巡った時に、各地のゲストハウスで温かく迎えてもらったことが、深く印象に残っていたからだといいます。「高校卒業後に大学で宗教学を学んでいたのですが、各地で宗教がどのように捉えられているのか自分の目で見たくて、世界各地に足を運びました。その時に各地で利用したのがゲストハウス。言葉は分からないですが、どこの国でもゲストハウスのスタッフの方はみんな楽しそうに仕事をしていて、それが僕も心地よかった。その雰囲気の良さがどこか頭に残っていて、30代前半に転職を考えていた時に思い出したんです。あんなに笑顔でできる仕事ってあまりないかもって。 あと、東日本大震災もどこかできっかけになっていたと思います。当たり前の日常って、ある日ガラッと変わることがあるということを体験として知った。その経験を経て、やりたいことはやっておいた方がいいなと考えるようになり、自分の背中を押したところがあります」。灯台もと暗しで勝浦へ 自身の体験から、ゲストハウス経営に舵を切りたいと考え始めた洋治さんに、パートナーの春奈さんも最初から良いイ千葉の海がそんなにきれいなの? と思う方もいるかもしれませんが、 福岡洋治さん〈12期生〉1980年東京都生まれ。自由の森学園高等学校卒業後、愛知学院大学文学部宗教文化学科に入学。その後、自衛隊駒門駐屯地勤務を経て、トラック運転手、アミューズメントパークスタッフを経験し、千葉県勝浦市にて「お茶の間ゲストハウス」をオープン。今年で5年目を迎えた。

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