morinoat_21
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 巻き込まれるように始めたものの、学内の行事や舞台を撮影するなかで、すぐに撮ることが面白くなってきました。さまざまな記録映像を撮り続けた6年間。卒業後は、自然と映像関係に進もうと考えるようになりました。「創り出す」よりも「記録して伝える」 進学した京都造形芸術大学では、映像と舞台を幅広く学ぶ「映像芸術コース」を専攻しました。高校在校時には映像部と掛け持ちで、「時代劇部」という殺陣を中心にした舞台を公演する部活にも所属していたので、舞台もかじりたかったんです。 舞台に興じる人、劇映画を制作する人、実験映像を作る人など、守備範囲の広い学科ゆえにいろいろなタイプの人がいる中で過ごした4年間でした。私もいろいろなジャンルに手を伸ばしてみました。映画などのオリジナル作品を撮るのも面白いといえば面白い。でも、どうもしっくりこないんです。そこで見えてきたのは、自分はゼロから作品や表現を創る人間ではなさそうだということ。誰かの生み出したものをより魅力的に、人に伝わるかたちで映像に記録することを追求するようになっていきました。記憶につながる記録を追求したい 同じものを撮影していても、撮り方はカメラマンによってさまざま。「ほかの人には実現できない、自分の映像を撮る早朝から、天気予報の生中継に向けて機材のセッティング中。短時間の中継といえど、7人以上の人が関わっている。高校当時、所属していた部活「時代劇部」の卒業公演のポスター。土方歳三に扮する丹内さん。11

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