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公開教育研究会 11/19(土) 20(日)
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公開教育研究会について

自由の森学園の授業を広く公開する、開校以来毎年開催されている催しです。授業公開のほか、テーマ別に設けられた分科会で、本学園の教員や生徒、教育関係者、入学を検討している皆さまなど、さまざまな立場の皆さんが共に話し合う2日間です。今年は教育講演会に、上智大学国際教養学部の教授である中野晃一さんをお招きしました。どなた様でも参加できる一般公開イベントです。授業の見学だけでももちろん参加可能です。たくさんの皆様の来校をお待ちしております。

「思考(力)・判断(力)・表現(力)」の内実を問う

自由の森学園では、人間の「自由と自立への意志を育てる」ために、「点数序列と競争原理」を廃し、「深い知性・高い表現・等身大の体験」を通して「観」(ものの見方)を育んでいく教育を続けてきています。

教育全体をめぐる動向としては現行学習指導要領が、一昨年度から全面実施されているばかりですが、既に中央教育審議会で改訂に向かっての議論がされています。また、現行学習指導要領で重視されている「知識・技能」の「習得と活用」や、「思考力・判断力・表現力」の育成は今後とも継続されるでしょう。しかし、私たちは問題は、その「内実」にあると考えています。「知識・技能」の「習得と活用」が、学習指導要領のなかで示されている「指導事項」の文言を形式的になぞるだけのものになってしまったり、「思考力・判断力・表現力」が現状の世の中に従順に「対応」するための「技術」としてのみ捉えられてしまうのでは、それは真の意味での「生きる力」にはならないでしょう。当然のことながら心ある人々は、そのことに強い違和感を持っているのではないでしょうか。

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点数序列と競争原理を廃することの意味

2011年3月に起きた東日本大震災やそれ以降の原発をめぐる問題、あるいは世界的にさまざまなかたちで起きている紛争への対応にも端的に表れているように、「思考・判断・表現」は、「何のために」「どのように」営まれるのかが、問われているのだと思うのです。その根底は、自由の森学園において創立以来使ってきた言葉を用いるのであれば、「観」の形成、つまり人間観・社会観・自然観・世界観など、「ものの見方」を豊かに育んでいき、「どのように生きるか」を追求することだと考えています。つまり、一つひとつの授業のなかで「思考・判断・表現」の営みが大切にされなければならないのです。また、「力」とはどのようなものなのか、「何のための」「どのような内実をもった」「知識・技能」なのかも、検討に付される必要があるでしょう。自由の森学園では創立以来、「知識」を軽んじてきたことはなく、「結節点を集中的に学びとらせる」と考えてきました。

その際、本校が「点数序列と競争原理を廃する」ことの意味を改めて強調しておきたいと思います。「観の形成」のためには、生徒同士あるいは生徒と教師が、「語り合い、聴き合い、学び合う」関係が、授業づくり・学校づくりの中で大切にされ、その過程で自らの「ものや出来事の見方や見え方」を問い直し、再構築し続けていくことが大事になるからです。本年3月に設置されたばかりの「特別の教科道徳」の批判的検討と、本来の道徳教育の在り方についても、「観」の形成という観点から、自由の森学園ならではの検討をしていきたいと思います。今後の学習指導要領改訂をめぐって鍵語となりそうな「アクティブ・ラーニング」の内実や、大学入試改革の観点から出されている仮称「高等学校基礎学力テスト」「大学入学希望者学力評価テスト」をどう捉えるかも検討の俎上に載せていく必要があります。

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開かれた場で多くの皆さんとともに

私たちが目指していた理想と比すれば、学園の到達点は満足できるものではありません。困難に直面しているとも言えましょう。「公開教育研究会」を開催するのは、みなさまからさまざまな批判検討を受け、可能な限り一緒に「これからの教育が目指すもの」について考えていきたいという願いによるものです。自由の森学園は、内閉した「自由な空間」ではありません。これからの社会を生き、創造していく主体を育むために、「自由と自立への意志を育てる」学校でありたいと考えています。生徒と教師が共に深く学ぶ授業づくりを志向するのは、そのためです。

教育についてはもちろんのこと、現代社会のあり方全体に関心を持つ多くの方の参加を願ってやみません。

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