自由の森学園中学校・高等学校 学校案内2018
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数学 数学とは、公式を覚えて計算することだと教わったことはありませんか? また「数学にそれ以外の考え方はない」とも。そのような学びの場では、自分で考えることのおもしろさを実感することは難しいかもしれません。 自由の森学園の数学は、公式を覚える前に、図を描いたり、紙を切ったり貼ったりしながら考え、じっくり「数学をする身体」をつくることから始まります。授業の目的は、正解にたどり着くことだけではなく、その過程でさまざまな発見に驚き、理解し、納得する感動を味わうことです。一つひとつ確認しながら考える体験を積み重ねていくと、やがてそれまでに持っていた計算の方法や知識だけではスッキリと答えが出ない難問に直面します。たとえば「無限」との出会いもそう。どれだけ頑張って計算を続けても、ピタッと収められない難問に出会うことはまるで「事件」。誰もが頭をモヤモヤさせ、とことん悩むことになります。 ルート(√)や円周率パイ(π)は、先人たちが同様の苦労をして、ある種の割り切りから導きだした記号であり、授業ではこの先人たちの経験や発見を自分の課題として取り組みます。その中で、自ら発見し結論を出していく納得感は格別です。 それはちょうど、多感な子どもたちが困難にぶつかりながらも前に進もうとするときの「こころの手続き」とよく似ているのではないでしょうか。数学科では一人ひとりが感じ、考え抜くそのプロセスに大切にすべきものがあると考えながら授業を進めていきます。◤ 数学する身体に出会う割り切れない問題を考え抜いた先にある大切なもの17

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